つみたてNISAは1人1口座しか開設できません。あとから証券会社を変更することもできますが、手間がかかるので、最初に証券会社の特徴やサービスを比較してから決めましょう。

そこで今回は、この春つみたてNISAをはじめたい方に向けて、証券会社の選び方のポイントとおすすめをご紹介します。

特に積立投資を行うことでポイントが貯まるサービスは、各証券会社が注力しています。これからつみたてNISAを始める人はこの点にも注目して選ぶとよいでしょう。

証券会社選びのポイント5つ

つみたてNISAを始めるには、まずはNISA用の口座を開設しなければなりません。どの金融機関(証券会社)の口座にしたらいいのか、選び方のポイントは次の5つです。

1.取扱い商品が豊富

つみたてNISAの対象商品は、金融庁が選んだ積立投資に適した投資信託208本(2022年3月15日時点)に限定されています。

この中から各金融機関が取り扱いを決めるので、金融機関ごとに商品ラインナップが異なります。種類が豊富で取扱い本数が多い証券会社を選びましょう。

2.最低積立金額が低い

つみたてNISAは、最長20年間非課税で運用できます(毎年40万円が上限、非課税投資枠は最大800万円)。長期間積み立てていくことが前提なので、その期間には、家計が苦しくなって積立額を減らしたい時期なども出てくるでしょう。

そうした時に、積立額を低く設定できれば、無理せず続けることができます。ネット証券では最低積立金額が100円から設定できるところが多く、少額から積み立てを始められます。

3.積立頻度が選べる

積立頻度は「毎月」積み立てていくパターンが一般的ですが、証券会社によっては、「毎日」や「毎週」といった設定もできます。

積立頻度が多くなればそれだけ時間分散ができるので、高値掴みのリスクを減らすことができます。ただ、積立頻度による運用成績の差はわずかというデータが多いので、そこまでこだわる必要はないでしょう。

4.手数料が安い

つみたてNISAは、どの金融機関で開設しても口座の管理費用はかからず、購入手数料も無料なので、この部分での差はありません。

しかし、購入した投資信託の保有期間にかかる手数料(信託報酬)は投資信託ごとに異なります。つみたてNISAでは一定水準以下のものが選ばれていますが、手数料のほんの数%の差でも長期運用をすることで大きな差となります。信託報酬に着目して投資信託を選ぶには、取扱いの本数の多い証券会社を選ぶ必要があります。

もう一つ、見落としがちな視点ですが、証券会社選びはつみたてNISAだけで考えずにその他の取引(iDeCoや個別株の取引)も含めて考えましょう。

目的があって複数の証券会社で取引をするのでなければ、一つの証券会社ですべての取引ができれば手間もかからず管理も楽です。

iDeCoはつみたてNISAと違って、加入手数料、口座管理手数料がかかり、金融機関によって手数料に差があります。他の取引も考えて、手数料の安い証券会社を選んでおきましょう。

5.ポイントが貯まる

積立投資を行うことでポイントが貯まったり、貯めたポイントを投資に使ったりするサービスが登場しています。こうしたポイントサービスが証券会社の“売り”となっているケースもあり、今後の証券会社選びには、ポイントサービスの良し悪しが大きく影響するかもしれません。

「どんなポイントが貯まるのか、付与率はどのくらいか、ポイントを使う方法は」などしっかりチェックしましょう。

また、クレジットカード積立ができる証券会社なら、通常のポイント以外にクレジットカード独自のポイントも貯まるので、クレジットカード積立が可能かどうかも確認しておきましょう。