退職金が見込めれば老後は安泰?
老後には2000万円が必要という声もありますが、もし退職金で2000万円を受け取れるのであれば、老後は安泰なのでしょうか。
実はこうした考え方は、リスクが高いです。主な理由は次の3つ。
- 1.自分も2000万円を受け取れるかはわからない
- 2.老後の必要資金は2000万円で足りない可能性がある
- 3.必要資金は一人ひとり違う
退職金制度は移り変わるもので、近年では退職金自体を廃止する企業もあります。
また公務員であっても民間の水準に合わせる動向があるため、今後も同じ金額を受給できるかどうかはわかりません。
退職金をあてにして貯蓄しないままでは、予想以上に少なかったときに資産形成が間に合わないリスクがあります。
さらに老後資金の目安である2000万円ですが、当然全員にあてはまる数字ではありません。
介護費用や家賃分を合わせれば、5000万円以上必要になるという意見もあるほど。
つまりこうした数字だけを頼りにするのではなく、「自分の家族はいくら老後に必要なのか」についてじっくり考える必要があるのです。
まとめにかえて
退職金の支給実態について、公務員や会社員ごとに確認しました。
定年退職の場合、勤続年数によっては平均が2000万円を超えています。ただし過去の受給実態をもとに、将来の金額を確定することはできません。
また定年退職後に必要となる金額も、家庭ごとに異なる点に注意しましょう。年金はいくらもらえるのか、定年退職後は生活費がいくらぐらいになるのか。
じっくり考えることで、赤字となる分を貯蓄する必要があります。早いうちからしっかり準備を進めましょう。
参考資料
- 内閣官房「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」
- 総務省「給与・定員等の調査結果等」各団体区分別の給与状況
- 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(一時金・年金)の支給実態」
- 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)制度 表番号 32産業・企業規模、退職給付(一時金・年金)制度の有無、形態別企業割合」
LIMO編集部