公務員は3月末に一斉に退職を迎えます。

そこで気になるのが退職金の金額。国家公務員の場合は退職金の計算方法が開示されています。

退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給割合)+調整額

一方で会社員の場合、もらえる退職金の額はさまざまな要素で左右されるため、支給予定額を予想することは難しいです。

そこで今回は公表されている資料をもとに、会社員と公務員の実際の退職金支給額を確認してみます。

老後資金の目安とされる「2000万円」を超えるのかどうかにも着目してみましょう。

【注目記事】【投資FIRE】不労所得「月30万円」を作るおすすめの方法4つを元証券会社員が解説

国家公務員の退職金はいくらか

まずは内閣官房の「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」から、国家公務員の退職金事情を確認します。

1/1

【出典】内閣官房「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」

【出典】内閣官房「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」

常勤職員

  • 全体平均:1023万9000円
  • 定年:2142万1000円
  • 応募認定:2551万9000円
  • 自己都合:299万4000円
  • その他(※):193万5000円

常勤職員のうち「行政職俸給(一)適用者*」
(*一般行政事務を行う職員)

  • 全体平均:1507万4000円
  • 定年:2127万9000円
  • 応募認定:2276万円
  • 自己都合:384万9000円
  • その他(※):245万4000円

※「その他」には、任期制自衛官等の任期終了(常勤職員)や死亡等による退職が含まれています。

全体合計では1000万円台ですが、「定年」や「応募退職」に限定すると2000万円を超えます。

応募認定とは45歳以上の職員を対象に、定年退職より前に募集された退職制度のこと。一般的には定年退職よりも金額が上回ります。

地方公務員の退職金はいくらか

続いて地方公務員の退職金を確認しましょう。

地方公務員の場合、給与の出どころは都道府県や市町村となるため、それぞれで違いがあります。

また一般職員だけでなく教職員や警察なども含まれるため、職種にも左右されるでしょう。

ここでは首都圏の都道府県に勤める「一般職員のうち一般行政職」に限定し、退職金の実態を探ります。

「60歳定年退職者の平均支給額」は次のとおりです。

  • 東京都:2310.3万円
  • 神奈川県:2235.9万円
  • 埼玉県:2201.1万円
  • 千葉県:2176.8万円

地域差があるものの、いずれも2000万円を超えることがわかりますね。

会社員の退職金はいくらか

最後に会社員の退職金事情を見ていきましょう。

少し古い統計になりますが、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(一時金・年金)の支給実態」を参考にします。

大学・大学院卒の平均退職金(管理・事務・技術職)

  • 定年:1983万円
  • 会社都合:2156万円
  • 自己都合:1519万円
  • 早期優遇:2326万円

高校卒の平均退職金(管理・事務・技術職)

  • 定年:1618万円
  • 会社都合:1969万円
  • 自己都合:1079万円
  • 早期優遇:2094万円

「定年退職」に注目すると、2000万円には届いていないことがわかります。

ただし勤続年数が長くなればその分金額もあがり、35年以上勤めた人に限定すれば平均2173万円となりました。

もちろん会社の業績や運用成果、退職金制度等にもよりますが、会社員でも2000万円を受け取る人はいるということがわかります。

退職金が見込めれば老後は安泰?

老後には2000万円が必要という声もありますが、もし退職金で2000万円を受け取れるのであれば、老後は安泰なのでしょうか。

実はこうした考え方は、リスクが高いです。主な理由は次の3つ。

  • 1.自分も2000万円を受け取れるかはわからない
  • 2.老後の必要資金は2000万円で足りない可能性がある
  • 3.必要資金は一人ひとり違う

退職金制度は移り変わるもので、近年では退職金自体を廃止する企業もあります。

また公務員であっても民間の水準に合わせる動向があるため、今後も同じ金額を受給できるかどうかはわかりません。

退職金をあてにして貯蓄しないままでは、予想以上に少なかったときに資産形成が間に合わないリスクがあります。

さらに老後資金の目安である2000万円ですが、当然全員にあてはまる数字ではありません。

介護費用や家賃分を合わせれば、5000万円以上必要になるという意見もあるほど。

つまりこうした数字だけを頼りにするのではなく、「自分の家族はいくら老後に必要なのか」についてじっくり考える必要があるのです。

まとめにかえて

退職金の支給実態について、公務員や会社員ごとに確認しました。

定年退職の場合、勤続年数によっては平均が2000万円を超えています。ただし過去の受給実態をもとに、将来の金額を確定することはできません。

また定年退職後に必要となる金額も、家庭ごとに異なる点に注意しましょう。年金はいくらもらえるのか、定年退職後は生活費がいくらぐらいになるのか。

じっくり考えることで、赤字となる分を貯蓄する必要があります。早いうちからしっかり準備を進めましょう。

参考資料

LIMO編集部