年金から天引きされるお金は?

では、実際に年金から天引きされるお金とは何なのでしょうか。
基本的には「社会保険料」と「税金」がすべての人に共通するものです。

一つずつ詳細を見ていきましょう。

①所得税

年金が一定額以上になると、所得税が課税されます。
公的年金は雑所得となり、65歳以上の場合は年金額が158万円を超えると課税される可能性が出てきます。

②住民税(市町村民税)

同じく住民税も天引きの対象となります。
前年中の所得に対してかかる税金なので、所得税と同じく所得控除の申告を忘れないようにしたい項目です。

ちなみに総務省の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、65歳以上の高齢単身無職世帯では、直接税の平均が6430円となっています。

③介護保険料

40歳以上の人に支払い義務のある介護保険料。

保険料は3年ごとに見直され、ここ数年上昇傾向にあります。

第8期となる「令和3年度~令和5年度」の介護保険料基準額は、月額で6014円となり、初めて6000円台を超えました(あくまでも基準額で、実際の金額は地域により異なります)。

今後の長寿社会を考えると、ますます保険料負担は増えるといえそうです。

④健康保険料(国民健康保険や後期高齢者医療制度など)

健康保険の保険料も、年金からの天引きとなることがあります。

対象となるのは74歳未満の国民健康保険料と、75歳以降に加入する後期高齢者医療制度の保険料です。

住民税や健康保険は「介護保険料が天引きされていること」が天引きの条件ですが、もし天引きにならない場合でも、普通徴収として納める必要があります。