「2000万問題」で注目を集めた老後資金。必要性を感じてiDeCoを始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「始めたいけど、60歳まで引き出せないことで困らないだろうか…」、「目先の生活で手一杯!老後なんて先のことを考える余裕はないよ…」という方もいらっしゃるかもしれません。
老後資金対策をいつから、どれくらいの金額で始めるかを決めるためには、まず現役時代の日常生活やライフイベントで必要な費用を確認する必要があります。順を追ってみていきましょう。
一人暮らしの日常生活で必要なお金
総務省統計局が公表している「家計調査」によると一人暮らしの平均の食費は約3万8千円/月、水道・光熱費は約1万2千円/月です。
家賃は地域により様々ですが、仮に6万円/月とすると、合計で11万円/月です。交通費やインターネット代、トイレットペーパー等の日用品購入の費用も鑑みると、月12万円~15万円、年144万~180万円ほど必要です。
婚活・結婚に必要なお金
結婚を希望しているものの自然な出会いで結婚しなかった場合、婚活費がかかります。利用するサービス等にもよりますが、被服費や交際費等も含めると約2~3万円/月、約30万円/年は必要となると言われています。
結婚式を挙げる場合は、約300万円、写真だけを撮る場合は約15万円かかります。
子育てに必要なお金
少し古い調査にはなりますが、内閣府の「平成16年版 少子化社会白書」には、下記のように記載されています。
幼稚園から高等学校まで公立で、大学のみ国立に通った場合には、約1,147万円かかる。仮に、小学校だけ公立で、あとはすべて私立とすると、約1,817万円かかることになる。小学校だけ公立で、あとはすべて私立とし、大学生の時に下宿・間借り等自宅を離れて生活をした場合には、約2,004万円となる。
実際には食費や服飾費も必要となるためもう少し費用がかかります。子ども一人あたり1200万~2000万円程度が必要と見込んでおきましょう。大学卒業までの22歳で親元を離れるとした場合、55万~90万円/年必要になる計算です。
介護に必要なお金
介護には約8万円/月必要で期間は5年程度と言われています。介護費用を自分で捻出するのか、子どもが負担するのかは家庭により様々ですが、500万円程度は費用がかかります。
結局、いくら?
一人暮らしの間は約12万円~15万円/月、婚活する期間は約14万~18万円/月です。
もし結婚式を挙げたいと考えているなら、3年程度で結婚式の費用を貯めるためには約8万円/月となるため、20万円~26万円/月が必要です。
子どもが生まれた後は教育費を22年間で平均すると5万円~8万円/月必要となるため、少なくとも17万円~23万円/月かかります。
実際には一人暮らしよりも広い部屋に住み、食費等も増加するため20万~25万円/月はかかると考えておきましょう。介護中は20万円~26万円/月となります。
さらに、もし65歳までに2000万円貯めようとすると、22歳から約4万円/月を貯める必要があります。皆さんは、ご自身の手取りの金額から上記費用を差し引いてどの程度余裕があるでしょうか?
なお、日本の男性の年収の中央値は額面で約425万円、女性は約315万円であり、月の手取りは約28万円、約20万円ですので、マイナスになってしまう人も多いかもしれません。
「運用」を上手に活用する
私たちはお金を稼ぐために生きているのではなく、生きるため、あるいは自分の楽しみのためにお金を稼いでいます。上記の費用はあくまで人生の楽しみを考慮していないラインであり、実際には人生に彩りも必要です。
そうした彩りを享受し、人生を満喫するための手段のひとつが「資産運用」です。資産運用と聞くと、まとまった預貯金のある人しか関係ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、積み立てでも運用は可能です。
運用する「期間」さえ確保できれば、かなりの効果を発揮します。例えば、月2万円の積み立てでも、年率3%で運用すれば30年間で1100万円以上になります。
金融庁が「資産運用シミュレーション」を公開していますので、気になった方は確認してみてください。実際には、資産運用には株式投資や投資信託、生命保険、投資型クラウドファンディングなど様々な方法があります。
一つ一つメリット・デメリットを調べ、自分に合った資産運用の方法を見つけることで、お金の不安が解消できるかもしれません。
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