ブレない大きな柱を自分の中に持つことが大事
「小さな会社だと方針がブレたら終わり。社員を混乱させ、お客さんを混乱させ、取引先も混乱させてしまうから」と話すのは、電子機器部品メーカーを経営している50代のBさんです。
「会社として大事にしたいものは何か、と聞かれたら社員の誰もが同じことを言えるくらいに、会社の大方針を固めておくことがすごく大切だと感じている。同業他社で経営者が変わったと同時に、方針を大きく転換した会社があった。
今までは高くても高品質なものを、というやり方だったのに、安価なものを大量生産して営業をかけるということも始めた。でも、そういうものを売ってきた営業マンもいないし、そういうものを売るノウハウもない。こだわりをもって仕事をしてきた職人たちも、コストと工数が見合わないからと十分な仕事をできなくて不満を持つようになった」と、同業他社での事例を教えてくれました。
「しかも、今までは多少高いけど絶対良いモノをそろえたいっていうならあの会社だよね、というブランドイメージがあったのに、中途半端にそれが崩れてしまった。信頼して購入したのにモノがよくない、というように…。
取引先にとっては、会社が『高品質なモノ』として作っているものと『大量生産して安価で買えるモノ』として作っているものの見分けがつかないから、結果としてうまくいかなかったんじゃないか」と話してくれました。