国会図書館がなぜ人を呼ぶイベントを行うのか
最後に、冒頭の国会図書館が「猫イベント」を行う理由に立ち返りたいと思います。
猫イベントを行っていたのは国会図書館の「関西館」ですが、国会図書館は東京本館・関西館合わせると「最も蔵書数が多い図書館」です。
蔵書数は4560万9602点(国内・国外合わせて)となっており、他の追随を許しません。
一方、日当たりの来館者数は、東京本館:695人・関西館:249人となっており、1200名/日の入館制限をしている東京本館も平均としては1200名を超えていないことがわかります。
特に、関西館は東京本館の半分以下なので、何かの形で集客を検討したいと考えるのも自然です。
そして、猫モチーフといえば、学内広報誌『淡青』の特集が公表のため単行本化した『猫と東大。』という前例もあります。
「猫に関する研究・教育、猫を愛する構成員、猫にまつわる学内の美術品まで取り揃えて紹介」しており、文系から理系まで幅広い読み物が楽しめます。
前例があるテーマで集客が見込めるのであれば実行するしかない!となるのも自然ではないでしょうか。
ただ、猫はどんな形でもかわいいので、展示を楽しむときは下衆の勘繰り抜きで、ありのままに楽しみたいものですね。
参考資料
- 国立国会図書館「第29回 関西館資料展示「結構毛だらけネコ本だらけ」」
- 国立国会図書館「東京本館における抽選予約制による入館制限のお知らせ(申込フォーム)」
- 国立国会図書館「東京本館利用の流れ」
- 国立国会図書館「2022年2月16日 東京本館の入館制限について(2/19から)」
- 港区立図書館「図書館から借りた資料を無くした、汚した場合」
- 国立国会図書館「統計」
- 『猫と東大。:猫を愛し、猫に学ぶ』
當瀬 ななみ