3月末を定年退職としている会社も多いでしょう。
特に公務員は「国家公務員法」や「地方公務員法」により、定年退職日が3月31日と決められています。
公務員の退職金は「2000万円」を超えるというイメージを持たれることも多いですが、実態はどうなのでしょうか。
今回は公務員のうち「警察官」の退職金にフォーカスを当ててみたいと思います。
なかなか知る機会のない退職金事情について、紐解いていきましょう。
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地方公務員のうち「警察部門」の人数
総務省の「地方公務員数の状況」によると、地方公務員は全体で280万661人おり、そのうち警察部門に属するのは28万9141人です。
これとは別に国の警察機関として、国家公安委員会もあります。
都道府県の警察組織の場合は、警察本部(東京都の場合は警視庁)と警察署があり、その下に交番や駐在所等があります。
地域の相談や自動車免許の手続き等でお世話になることもあるでしょう。
激務のイメージのある警察官ではありますが、最近では働き方改革の流れを受けて、福利厚生の充実がアピールされています。
例えば警視庁の場合は、夏季休暇として12日が付与されたり、記念日休暇が5日付与されたりしています。
また単身寮や家族住宅も充実しており、住居費が補助されることが多いです。
結婚や出産などのライフステージごとには給付金も受け取れるなど、会社員よりも充実した制度が整っているようです。
そんな警察官の退職金事情について、公開されている資料をもとに見ていきます。
地方公務員のうち「警察部門」の退職金はいくら?
総務省の「令和2年地方公務員給与実態調査」によると、警察職の定年退職者へ支払われた退職金は以下の通りでした。
- 11年以上25年未満勤続後の定年退職等:1034万9000円
- 25年以上勤続後の定年退職等:2221万6000円
上記の結果から、勤続25年を超えると退職金の平均が2000万円を超えることがわかります。
また定年退職とは別に、「早期退職希望者の勧奨」の金額も知ることができます。早期退職に応募した場合は、通常の退職金よりも高い退職金が期待できます。
- 11年以上25年未満勤続後の定年退職等:1509万8000円
- 25年以上勤続後の勧奨:2290万3000円
ちなみに、警察官の全理由での退職金平均は1342万6000円です。
こちらには自己都合なども含まれるため、平均額が低くなります。勤続年数があがるほど退職金があがるのは、会社員と同じ構造であると言えますね。
退職金からも天引きされるお金
定年後は退職金で生活すると想定する方もいます。
確かに警察官の場合、勤続25年を超えると退職金が2000万円を見込めるかもしれませんが、都道府県によって差があります。
また退職金にかかる税金があることも見過ごせません。額面と手取りは違うことに留意しましょう。
ここではkeisanのサイトを参考にして、退職金にかかる税金を計算してみます。
【試算条件】
- 2022年度退職
- 勤続年数25年
- 一般退職
- 退職金2000万円
退職金には退職控除があるため、所得の金額は425万円となります。
これをもとに税金を計算すると、所得税及び復興特別所得税は43万1372円、市民税は25万5000円、県民税は17万円となりました。
※住民税は10%で計算
つまり、2000万円の退職金を受け取っても手取り金額は1914万3628円になるということです。約86万円も税金で引かれることに、驚く方も多いのではないでしょうか。
退職金以外にも自分に合ったマネープランを
警察官の退職金事情について、公的な資料から眺めてきました。
激務のイメージのある警察官。25年以上勤続したあとでの定年退職では、2000万円超も狙えるようです。
ただし、公務員の給与水準は民間と照らして引き下げられる傾向にあります。国家公務員の人事院勧告があれば、それに倣って地方公務員の水準が落ちることもあるでしょう。
これから定年を迎える若い世代にとっては、「退職金があるから安心」とも言い切れません。
定年の年齢は延びる傾向にありますが、いつまで働けるかは誰にもわかりません。年金生活になれば、年金と退職金だけで生活することになります。
それまでに貯めてきた貯蓄がある場合は、より安心だと言えるでしょう。
先々まで見通した長期的なマネープランを考えることで、将来について備えてみましょう。
もちろん「必要となる老後資金」や「最適な貯蓄方法」は個々で違います。
コツコツ積み立てることが得意な方もいれば、積立投資などでお金に働いてもらうことを選択する方もいるでしょう。
社会の情勢によっても有利な選択肢は変わってくるので、常に情報収集はしておきたいですね。
参考資料
- 総務省「地方公務員数の状況」
- 警察庁「警察のしくみ」
- 総務省「令和2年地方公務員給与の実態」
- 警視庁採用サイト「福利厚生について」
- Keisan「退職金の税金」
LIMO編集部
