短期退職手当等の例外的なケース
先程は一般的な短期退職手当等の計算方法をご紹介しました。ここからは短期退職手当等に関する例外的なケースについて解説していきます。
1.退職が2021年で退職手当が2022年支給の場合
2021年12月31日以前に退職した場合、改正前の法令が適用されます。
2.一時勤務しなかった期間がある場合
復職前に退職手当を受け取っていない場合は、復職前・復職後の期間を合算して勤続年数とします。もし復職前に退職手当を受け取っている場合は、復職後の年数のみを勤続年数として扱います。
3.同じ年に複数の会社からそれぞれ退職手当を受け取る場合
退職手当ごとに短期退職手当等に該当するか判定・計算します。
なお、判定により同一年中に短期退職手当等・特定役員退職手当等・一般退職手当等のうち2以上の事業所から退職手当を受け取る場合は、勤続年数の算出方法に注意が必要です。
【3社からそれぞれ退職手当を受け取る際の勤続年数算出例】
- A社:H29.2.1入社〜R4.1.31退職 勤続年数5年
- B社:H25.1.1入社〜R4.3.31退職 勤続年数9年3ヶ月
- C社:H29.12.1入社〜R4.11.30退職 勤続年数5年(役員として勤務)
同一年中に2以上の退職手当等がある場合の勤続年数は、それぞれ勤務した期間のうち最も長い期間により計算されます。
ただし、最も長い期間に重複しない期間は、この最も長い期間に加算されるため、C社に勤務した期間のうちR4.4.1〜R4.11.30の8カ月がB社の勤続年数に加わります。
よって、勤続年数はH25.1.1〜R4.11.30の9年11カ月→端数切り上げで10年です。
所得税を計算する際、最も長い期間に該当しない2社は、それぞれの勤続年数から最も長い期間に重複する期間と全重複期間を足した年数を差し引きます。