【約1億円のケースも】自転車事故で起きた高額賠償の実例

ここからは、判決文で支払いが命じられた賠償容認額とその実例をご紹介します。

9521万円:神戸地方裁判所  2013年7月4日判決

男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。

9330万円:高松高等裁判所  2020年7月22日判決

男子高校生が、夜間、イヤホンで音楽を聞きながら無灯火で自転車を運転中に、パトカーの追跡を受けて逃走し、職務質問中の警察官(25歳)と衝突。警察官は、頭蓋骨骨折等で約2か月後に死亡した。

9266万円:東京地方裁判所  2008年6月5日判決

男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。

6779万円:東京地方裁判所  2003年9月30日判決

男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。

5438万円:東京地方裁判所  2007年4月11日判決

男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。

上記金額は概算額で、その後の上告等で金額が変更になった可能性もあります。

自転車事故での高額賠償は誰にでもあり得る

高額賠償の実例は決して他人事ではありません。一瞬の油断や不注意などで容易に加害者となり得るのです。

自動車のように自動的に自賠責保険に加入とならないからこそ、自転車事故に備えて保険に加入しておきましょう。

ただし、既に加入している傷害保険などで自転車による事故がカバーされているかもしれません。一度保険内容をチェックし、自治体の条例に適応しているか保険会社に問い合わせてみて下さい。

参考資料

小見田 昌