元会社員や公務員が受け取る「厚生年金」はいくら?
続いて先ほどの図から、2階部分にあたる厚生年金について確認しましょう。
厚生年金は、公務員や会社員などが国民年金の上乗せとして加入します。収入に応じた等級で保険料が決まり、納めた金額や加入期間によって、将来の年金額が変わる仕組みです。
つまり、国民年金とは保険料や年金額の考え方が異なるということ。そもそも厚生年金には、満額という概念がありません。
人によって厚生年金の受給額は大きく異なることが予想されます。実際に受給されている金額について、資料から抽出してみました。
厚生年金の平均月額(受給者数1610万133人)
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
受給者数自体は国民年金の約半数です。国民年金の人と厚生年金の人に分かれるわけではなく、「国民年金のみ受給する人」と「国民年金と厚生年金の両方を受給する人」がいることにご注意ください。
年金月額ごとの受給者数についても、興味深い結果が出ています。
厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
国民年金と違い、幅広い受給額にばらけているのがわかります。
厚生年金の受給額は現役時代の収入や加入期間で決まるため、個人差が出やすいのです。
賃金の差だけではありません。今のシニア世代では、就職して厚生年金に加入しても結婚や出産、あるいは両親の介護などで離職する女性が多かったものです。
こうした加入期間の差異が、男女の平均で約6万円もの違いを生んでいます。
こう考えると、キャリアは現在の家計事情だけでなく、将来の年金額にも影響することをしっかり考慮する必要がありますね。