実際に、今の60代の貯蓄額はいくらか
熟年夫婦の多くが後悔する「資産形成・資産運用」ですが、実際に60代の方はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)各種分類別データ」を参考に、二人以上世帯の貯蓄を確認していきます。
60代世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯含む)
- 平均値:1745万円
- 中央値:875万円
60代の貯蓄の平均値は1745万円。より実態に近い中央値は875万円です。2000万円には遠い数字となりました。
分布を確認すると、金融資産非保有が18.3%。貯蓄500万円未満で見ると37.1%にもなります。
最近は食料品の値上げが続いていますが、年金生活になれば月々の生活費の不足部分を貯蓄から切り崩すこともあるでしょう。
老後の収入の柱となるのは「年金」です。厚生労働省によると、令和4年度の国民年金の満額は「月6万4816円」(▲259円)、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)はモデル夫婦で「月21万9593円」(▲903円)。
年金だけでは生活できないご家庭も多いですし、年金の受給額は令和3年度より0.4%の引き下げとなっています。
生活費以外にも趣味や旅行を楽しんだり、リフォームや介護が必要になったりする可能性を考えると、まとまった貯蓄がないと後悔する方も多いでしょう。
60代の貯蓄分布を見ることで、熟年夫婦の後悔が垣間見える結果となりました。