内閣府が発表した令和2年版高齢社会白書によると、日本の総人口は、令和11年に人口1億2000万人を下回り、令和35年には1億人を割って、令和47年には8808万人になると推計されています。
また、総人口に占める75歳以上人口の割合は、令和47年には25.5%となり、約3.9人に1人が75歳以上の者となると推計されています。
33年後と考えると、現在の30代から40代の働く世代が70代になる頃と言えるでしょう。これらをふまえると、ますます公的な年金に頼るのが厳しくなりそうと、感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は現在のシニア世代を参考に、70代世帯の貯蓄事情を紐解きながら、老後へのお金の備え方についてお話をしていきたいと思います。
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70代以上の貯蓄事情は?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」によると、70歳以上の貯蓄事情は次のとおりです。
70歳以上世帯「金融資産保有額」(※金融資産を保有していない世帯を含む)
平均:1786万円
中央値:1000万円
- 金融資産非保有:18.6%
- 100万円未満:4.3%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.6%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:6.5%
- 700~1000万円未満:6.3%
- 1000~1500万円未満:11.9%
- 1500~2000万円未満:8.0%
- 2000~3000万円未満:10.4%
- 3000万円以上:19.0%
無回答:2.6%
平均値は一部の極端に大きい値に影響されて、数値が大きくなりやすい傾向があります。一方で、中央値は貯蓄額を少ない順、あるいは大きい順に並べたとき全体の真ん中にくる値で、平均よりも実態を反映しやすいと言われています。
よって、ここでは中央値の1000万円のほうが、身近に感じやすく、参考にしやすい値といえるかもしれません。
また気になる点として、3000万円以上の世帯が19.0%、金融資産非保有(=貯蓄ゼロ)世帯が18.6%と、ほぼ同じ割合で存在する「二極化」状態となっています。
老後の貯金格差を浮き彫りとする結果に、他人事とは思えないと感じる人もいるかもしれませんね。