資産の配分はバランスよく
前項で、日本人は貯蓄の半分以上が預貯金であることがわかりました。
では、経済大国アメリカの場合、一般的な貯蓄の内訳はどうでしょうか。
金融庁「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議(2017年)」の説明資料によると、米国人の貯蓄は、約半分が株式や投資信託となっています。
その結果、1995年からの20年間で、日本人の金融資産は1.47倍しか増えていないのに対して、米国人の金融資産は約3倍に増えています。
金融資産の差が拡大した原因としては、少なくとも2つの理由が考えられます。
1つは、日本人は預貯金という選択肢が中心となり、お金が大きく増えないところに資産のほとんどを預けていたから。
そしてもう1つは、米国人の投資先である株式や投資信託が20年間でしっかり増えたからだと考えられます。
まず、今の貯蓄の内訳で現金に偏りすぎていないか、点検してみるとよいでしょう。そして、目安としては生活資金3ヶ月~6ヶ月分、不安な場合は1年分の現金を手元において、それ以外数年先まで使う予定のない資金については、資産運用を考えてみるのもよいかもしれません。
次に、初めて資産運用を考える方へ、失敗を極力防ぐためのポイントをご紹介します。
執筆者
都留文科大学卒。大和証券株式会社にて、主にリテール営業に従事。株式、投資信託の販売など、資産運用コンサルティング業務に携わる。現在は個人向け資産運用会社にて、運用に関するコンサルティング業務を行っている。顧客に寄り添う営業をモットーとし、特に若い世代へ資産運用の必要性を伝えるべく、日々精力的に活動中。外務員一種保有。
監修者
LIMO編集部は、LIMO編集長である宮野茉莉子を中心に、経済や資産形成や資産運用といった投資をテーマとし、金融機関勤務経験者である編集者が中心となって情報発信を行っています。加えて「くらしとお金」に関係する旅行、園芸、ショッピングや外食といった身近なテーマを各種専門家である編集者がわかりやすく解説します。LIMO編集部のメンバーは、大手金融機関で機関投資家としてファンドマネージャーや証券アナリスト、証券会社やメガバンク、信託銀行で富裕層・準富裕層への資産運用アドバイス担当、調査会社のアナリスト、ファッション誌の編集長、地方自治体職員、ネットメディアの経験者などで構成されています。編集スタッフの金融機関勤務経験年数は延べ47年、正確には565か月となります。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、第一種外務員(証券外務員一種)、FP2級、AFPなどの資格保有者が複数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。LIMOは株式会社ナビゲータープラットフォームが運営しています(最新更新日:2024年4月22日)。