ボールの違い
NPB公式球であるミズノ社製のボールは、しっとりとした質感で手に馴染みやすく、品質のばらつきもほとんどありません。
一方、MLBの公式戦で使用するローリングス社製のボールは重くて滑りやすく、ロージンでの滑り止め効果がほとんど望めません。
加えて縫い目の質感や重さにバラつきがあるといわれ、一球一球質感の異なるボールへの対応に神経を使う必要があるでしょう。
ボールが滑りやすいと変化球を投げる時に肩や肘への負担が増し、故障のリスクが高まります。松坂大輔・ダルビッシュ有・前田健太投手など、多くの日本人投手はトミー・ジョン手術を経験しています。
大谷選手も2018年のシーズン途中にトミー・ジョン手術を受け、翌シーズンは投手復帰に向けてのリハビリに1年間を費やしました。
MLBのピッチャーのなかには、松ヤニやシェービングクリームなどの粘着物質を使ってボールを滑りにくくする工夫を行い、出場停止処分を受ける選手もいました。しかし、2020シーズン途中からマウンドでのこうした行為の取り締まりが強化されています。
2021シーズン終盤、マイナーリーグで滑りにくいボールがテストされており、2021シーズンの公式戦使用球にどう反映されるのかは注目すべきといえるでしょう。