公的年金の収入と消費支出を比較
貯蓄額の中央値がわかったところで、毎月の収支バランスを確認していきます。家計調査報告(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)などを参考に見ていきましょう。
70歳以降・無職世帯の「公的年金給付額」
- 70~74歳:20万5935円
- 75~79歳:20万7107円
- 80~84歳:19万4818円
- 85歳~:19万5343円
70歳以降・無職世帯の「消費支出(生活費)」
- 70~74歳:24万2579円
- 75~79歳:22万4855円
- 80~84歳:20万6655円
- 85歳~:19万4102円
どの年代で見ても、基本的には「支出」の方が上回っており、この不足分を貯蓄額から切り崩して使っているということになります。
なお、こちらのデータは持家世帯を前提にしているので老後も賃貸住宅にお住まいになる予定の方は、別途家賃分の考慮する必要があります。
加えて忘れてはならないのが、「人生100年時代」のリスクの一つともいわれている「介護費用」です。
公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、平均的な介護期間は4年7カ月です。この費用が急な出費としてかかってくることも想定しておかなければなりません。
長寿時代だからこその備えを今後は考慮する必要があります。「人生100年時代」に備えるには、これまで以上に資産の寿命を伸ばすことが求められます。