50代の「iDeCo」と「積立NISA」の活用例
それでは、現在50歳の方が、iDeCoと積立NISAを最大限活用すると、どのくらいお金を増やすことができるのか具体例をチェックしていきます。ここでは、投資の年率利回りを5%と仮定します。
<iDeCo>
- 毎月の積立額:2万円
- 投資期間 :10年間
- 年利回り :5%
10年後の運用結果
- 元本 :240万円(掛け金は所得控除が受けられる)
- 運用益 :70.6万円
- 最終積立金額:310.6万円
<積立NISA>
- 毎月の積立額:3万円
- 投資期間 :20年間
- 年利回り :5%
20年後の運用結果
- 元本 :720万円
- 運用益 :513.1万円
- 最終積立金額:1233.1万円
※金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算
この場合、iDeCoと積立NISAの合計の投資元本は960万円、最終積立金額は1543.7万円となりました。
運用利益は合わせて583.7万円となり、利益にかかる税金は約117万円(583.7万円×20%)がすべて非課税となります。課税口座で資産運用を行うと、この税金は支払わなければなりませんが、iDeCoと積立NISAは約117万円をすべて利益とすることが可能です。
さらに、iDeCoの元本240万円は所得控除できるので節税につながります。
この具体例を見ると、50歳からiDeCoと積立NISAで資産運用を始めたとしても、しっかりとお金を増やすことができるのが分かりますね。
もちろん、投資なので価格の乱高下により時には損をしてしまうリスクもあります。しかし、インデックス投資で投資期間を10年くらい確保できる長期運用の場合は、ゆっくりと右肩上がりに価格が上がっていく可能性が高いと考えられます。
ただ、投資対象によってパフォーマンスも異なります。ご自身できちんとリスクを把握し、長期間保有できると思うものをじっくり検討しましょう。
日々の値動きにとらわれることなく、安定的な長期運用を目指してください。
まとめにかえて
50代の方は、老後に向けて本格的にマネープランをたてる大切な時期です。今回ご紹介した内容を参考にしながら、まだ資産運用を行っていない方は、大きな節税につながるiDeCoとつ積立NISAを活用して少しでもお金を増やせるよう、挑戦してみてはいかがでしょうか。
参考資料
下中英恵FP事務所 下中 英恵