「仕事を続ける」以外の選択肢も考えてみる

60代の貯蓄事情を確認すると、貯蓄を2000万円以上保有している世帯が多い一方で、貯蓄500万円未満も約2割と二極化するようすがうかがえました。

今は「働けるだけ働きたい」と考える方も多いですが、一方で何歳まで元気に働けるかは誰にもわかりません。持病を抱えたり、体力の衰えを感じたりして仕事をやめる決断をする日がいずれくることは考えておくべきでしょう。

自分で働くのは体力的な限界もありますが、資産運用を取り入れることで「お金に働いてもらう」ことも可能です。資産運用に定年はないので、仕事をするよりも長く続けられるという安心感はあるでしょう。可能ならば仕事を続けながら、運用をはじめてみるといいかもしれませんね。

工夫次第でリスクを抑えることも可能

一方で、運用なのでリスクはあります。何でもメリットがあれば、デメリットもありますね。とはいえ、運用に関するリスクも、選ぶ金融商品や投資スタイルによってはある程度軽減することができます。

「運用=株式の短期売買」と結びつけてしまう方もいますが、リスクは分散することで抑えることもできます。たとえば投資信託を選んで「投資対象を分散する」、毎月一定額を積み立てる積立投資で「投資時期を分散する」ことで、ある程度リスクが抑えられるでしょう。

万が一の時に備えたお金や、当面使う予定のお金は貯金で持っておくべきですが、長い間使わない資金については運用を取り入れてみるのも一つです。60代の方の場合はリスクを抑えて、債券などを組み入れた投資信託で積み立てていくのもいいでしょう。

10年後には70歳、20年後には80歳。人生100年時代から見れば、時間はたくさんあります。先々のことまで考えて、セカンドライフのプランとともにお金についても考えてみましょう。

どのような金融商品を選ぶか、いくら投資するかなどはご家庭によりさまざまですので、ご自身に合った方法を探すべく、情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子