「最も聞き出しづらいこと」は、やっぱりお金の話
さて、5つめは「親から一番聞き出しづらい」と思う人が多いであろう、お金の話です。
5. 預貯金の額
「貯金はどのくらいあるの?」
これは、親子であってもなかなか話題に出しづらいものです。
とはいえ、万一親の預貯金の額があまりにも心もとない場合、ゆくゆく子世帯の生活を圧迫する原因にもなりかねません。教育費や住宅ローンが家計を圧迫するなか、並行して親に仕送りをする必要が出てくる可能性もあります。
よって、遠回しにでも良いので確認しておくことが大切です。切り口としてはこんな感じでしょうか……。
- 年金受給額の範囲で生活できているのか
- 孫にいろいろ買ってくれるのは嬉しいが、介護が必要になり施設入所することになったら、資金はあるのか
子や孫へのプレゼントや資金贈与などに張り切りすぎて、自分自身が倒れたときに通帳の残高がほとんど残っていない、というケースも意外にあるのです。
親子の会話から生まれる「情報共有」が理想的
親子で終活について考える場合、まずは、親の思いがしっかり子に伝わっている必要があります。
なかには、子に心配をさせたくない思いで本当のことを隠す親もいるでしょう。しかし、それでは最終的に子に負担や迷惑をかけてしまう可能性もあります。
親が元気で冷静なうちに、自分の現状と方針を、正しく伝えておけるのが理想的ですね。その後に起こり得るトラブルの芽を早めにつんでおくことにも繋がるでしょう。
親御さんは子にしっかり思いを伝えてあげてください。子は親が話をしようとしている時に、面倒だと思わず、しっかり耳を傾けてあげてください。
このちょっとした時間を作ることで、自然な情報共有が可能となり、親子の思いのズレが修復できるかもしれません。
夢のかけはし㈱ 秋口 千佳