サザン、福山を擁するアミューズ、株価上昇のきっかけつかめず
アミューズ(4301)はサザンオールスターズや福山雅治を擁する大手芸能事務所です。
そのアミューズの株価が軟調に推移し、上昇のきっかけをつかみかねています。まず、2017年2月15日までの過去1年間の株価推移をご覧ください。
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2017年3月期Q3決算発表もきっかけにはならず
2017年2月14日15:30に、同社は2017年3月期Q3累計(4-12月期)決算を発表しました。決算発表に対する株価の反応を確認しましょう。
発表前の同日15:00の東証の終値は1,912円でしたが、発表を受けた翌日の2月15日は安値1,795円をつけ、1,829円で終わりました。2月16日の前場終値(11:30)は1,904円となり反騰していますが、発表前の水準を取り戻してはいません。
大幅減益となった2017年3月期Q3決算
さて、気になる業績動向ですが、2017年3月期Q3累計の営業収入は対前年同期比▲12%減、営業利益が同▲50%減の31億円でした。減収減益決算で、しかも営業利益は半減という厳しい内容です。
業績面で厳しかった要因は大型コンサートツアーの減少です。前年同期にはサザンオールスターズ、ONE OK ROCK、ポルノグラフィティなどのツアーがありました。これに対して、今年のツアーはPerfume、SEKAI NO OWARI、flumpoolなどとなりました。
同社は通期の業績見通しは据え置きました。営業収入は対前年度比▲10%減、営業利益は同▲35%減の39億円とされています。同社はQ3累計の進捗はおおむね予定通りだと述べていますが、例年1-3月期は比較的閑散な時期であることから、通期の着地を見守る必要がありそうです。
こうした足もとの業績トレンドを見せられると、株価も動意が難しいと言えるのではないでしょうか。
次の成長に向けて種まきが進む
業績の変化率を見ると随分悪くなっているように見えますが、見方を変えれば2016年3月期が「良すぎた」だけなのかもしれません。
過去5年の業績を見ると、営業利益は35億円から40億円台で推移していますので、今年度の通期予想である39億円というのは決して悪い数字ではありません。
また、最近は星野源の認知が上昇したり、Perfume、ONE OK ROCK、BABY METALが世界的に活動を展開していることも注目できます。
サザン、福山ばかりではないという局面にどう向かうのか、注目しておきたいと思います。
椎名 則夫