先日、体操の内村航平選手が現役引退を表明しました。

内村選手は、世界選手権を含めた世界大会で日本の体操史上最多となる通算28個ものメダルを獲得した日本を代表する体操選手です。

オリンピックでは、日本国内外問わず多くの人の胸を打つ演技を披露し「内村選手に憧れて」と体操を始めた子供たちも多いのではないでしょうか。

これまでも、浅田真央さんなど多くのスポーツ選手がその若さでの現役引退を表明し、世間から引退を惜しむ声も多くありましたね。

スポーツ選手は一般のサラリーマンなどと比べると引退の時期が20代や30代と若いですが、私たちサラリーマンはどうでしょう。

一昔前と比べると、現役引退の時期は60歳から65歳になり、さらに65歳以降も働き続けるシニアも増加していますよね。

その背景には「老後資金の準備不足」が大きな要因であるとも言われています。

そこで今回は、「老後資金=貯蓄2000万円」を軸に60代世帯の貯蓄事情について見ていきたいと思います。

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老後資金=貯蓄2000万円が必要?

最初に、老後資金はいくら準備すべきかをお話していきます。

2019年に金融庁が発表した報告書で話題となった「老後2000万円問題」を元に説明していきます。

「老後2000万円問題」とは、65歳からの老後30年間で年金だけでは生活費が2000万円不足するというものです。

以下は「老後2000万円問題」のもととなった計算式です。

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯・老後は30年と仮定)

毎月の収支

  • 実収入:20万9198円
  • 実支出(主に食費):26万3718円

月々の赤字額=約5万5000円

老後必要額=5万5000円×12ヶ月×30年=1980万円

上記の計算によると、夫婦ふたりで老後の生活費が約2000万円足りません。

ちなみに、上記の金額には介護費用や自宅のリフォーム費用等が含まれていないので、この2000万円という数字は最低限準備すべき老後資金と考えておくと良いでしょう。