つみたてNISAのデメリット3つ
ではつみたてNISAのデメリットはというと、3点あります。
つみたてNISAの年間投資上限額は40万円(ひと月あたり約3.3万円)ですが、iDeCoの場合は職業によって年間拠出額が異なります。
たとえば、会社員や公務員等の第2号被保険者は月額の上限額が条件により「1.2万円、2.0万円、2.3万円」ですが、自営業者等の第1号被保険者の場合、月額の上限額は6.8万円(国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠)です。つみたてNISAよりも、年間で投資できる金額がずいぶん多いことが分かります。
また、iDeCoの場合は掛金の全額(積立額)が所得控除になり、年金受取時にも一定額まで公的年金控除や退職所得控除の対象となります。つみたてNISAよりも多くの税制メリットを享受できるでしょう。
そして、つみたてNISAで損失が出た場合、他の運用益との損益通算や繰越控除はできません。さらに、その年の非課税枠に未使用分があっても、翌年に繰り越しはできませんので注意が必要です。
若い世代ではつみたてNISAが利用しやすい
つみたてNISAもiDeCoも、積立しながら運用していきますが、ライフプランが定まらない20歳代や30歳代といった若い年代では、原則60歳まで引き出しできないiDeCoより、いつでも解約できるつみたてNISAの方が使い勝手がいいといえるかもしれません。
老後を含めた将来のために、まずは少額からはじめられるつみたてNISAから始めてみてもいいのではないでしょうか。
参考資料
- 金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」(2021年12月24日公表)
- 金融庁「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査(2020年3月末時点)」
- iDeCo公式サイト「よくあるご質問ランキング 」
- 金融庁 つみたてNISAの対象商品
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)をはじめるまでの5つのステップ」
- 金融庁「つみたてNISAの概要」
中野 令子