自分に合った貯蓄方法を探そう
先ほど一般的な支出を見てきましたが、実際の老後の生活費はお住まいの地域や居住形態などにより異なります。たとえば住居費は1万円台で計算されているので、賃貸の方はさらに費用が必要でしょう。
また、あくまでも月々の生活費なので、生活費で不足する部分の備え以外にもリフォームや病気、介護、旅行費用などは別途貯蓄する必要があります。
2019年には年金以外に老後2000万円が必要という「老後2000万円問題」が話題となりました。たとえば住居費を月+4万円、老後を65〜90歳までと仮定して25年間分貯めるだけでも1200万円です。人によっては2000万円以上必要になる方もいるでしょう。
メガバンクの普通預金金利が0.001%程度の現代では、「働いて普通預金に預ける」だけで老後資金を準備するのは難しいかもしれません。働く世代の方は教育費や住宅ローンなど、他にもまとまった費用がかかります。
貯蓄を増やす方法は節約、ポイ活、副業、転職、資産運用など多岐にわたります。転職や副業は簡単にできるものではありませんが、節約やポイ活、資産運用は比較的はじめやすいでしょう。
中でも資産運用は、自分で働くだけでなく「お金にも働いてもらう」もので、資産寿命を伸ばすためにも効果的です。特にはじめる人が増えているのが積立投資。投資対象が分散されている投資信託を、毎月コツコツと一定額購入するもので、リスクをある程度抑えながら資産を増やすことも可能です。
年代によってとれるリスクは異なりますので、自分に合った資産配分を考えるためにも、まずは情報収集をするといいでしょう。
早いうちから自分に合った方法を組み合わせて、お金を増やし、守っていきたいですね。
参考資料
- PRTIMES「【シニア世代の「夫婦関係と生活に関する意識調査」】50代~70代の夫婦関係の満足度は平均74.5%。特に60代・70代が高い傾向 夫婦円満の秘訣である感謝の言葉は、お互い「伝えているつもり」状態」
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」
- 厚生労働省年金局「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」
宮野 茉莉子