年金の平均額とリアルな老後の生活は?
年金生活に入ると、生活の柱は「年金と貯蓄」です。決まった金額の中で生活費をやりくりするのは不安を感じるもの。実際に今のシニア世代はどれくらいの年金を受給しているのでしょうか。
厚生労働省年金局が公表する「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金の平均額は以下の通り。
国民年金 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
平均年金月額:5万6252円
- 〈男子〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女子〉平均年金月額:5万4112円
厚生年金保険(第1号) 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
※厚生年金保険(第1号)の平均年金月額には老齢基礎年金月額が含まれます。
平均年金月額:14万4366円
- 〈男子〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女子〉平均年金月額:10万3808円
たとえば「会社員の夫と専業主婦の妻」のご家庭であれば、月の受給額はおよそ21万円です。
では、老後の生活費はいくらでしょうか。総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」より、夫婦世帯と単身世帯にわけて確認します。
65歳以上・無職「夫婦世帯」のひと月の支出
支出合計:25万5550円
【内訳】
- 非消費支出計(税金や社会保険料):3万1160円
- 消費支出:22万4390円
65歳以上・無職「単身世帯」のひと月の支出
支出合計:14万4687円
【内訳】
- 非消費支出計(税金や社会保険料):1万1541円
- 消費支出:13万3146円
一般的な夫婦世帯と単身世帯を男女別に分けて、老後の生活費の過不足をみてみましょう。
老後の生活費の過不足
- 夫婦世帯(男性は厚生年金・女性は国民年金):(16万4742円+5万4112円)-25万5550円=-3万6696円
- 単身世帯(男性・厚生年金):16万4742円-14万4687円=2万55円
- 単身世帯(男性・国民年金):5万4112円-14万4687円=-9万575円
支出を見ると、夫婦世帯では月に約4万円ほど足りません。単身世帯の男性は足りますが、女性は国民年金のみだと約9万円も足りない計算になります。
厚生年金では、男女で約6万円ほどの差もあります。これは女性が結婚や育児などで離職したり扶養内で働いたりする方が多いことも一因でしょう。
厚生労働省の令和2年簡易生命表によれば、男性の平均寿命は81. 64年、女性の平均寿命は87. 74年。夫婦の年齢の組み合わせによっては、女性の方が長生きする可能性が高いでしょう。
このような要因から女性のへそくりの金額も多くなるのかもしれませんね。