オミクロン株の広がりを受け、観光支援事業「Go To トラベル」がさらに見送られることになりました。老後は旅行を楽しみたいと思っていた方も、しばらくは我慢のときが続きそうです。

現役世代の方でも、定年退職後はコロナに関係なく旅行を楽しみたいと考える方もいるでしょう。旅行に限らず、趣味を謳歌したいと思う方は多いです。

そんな老後生活は、現役時代に準備した貯蓄と年金で過ごすというのが一般的なイメージかもしれません。しかし、実はその貯蓄がない世帯もあるようです。

今回はファイナンシャルアドバイザーとしてお客様の資産運用に携わってきた私が、70代の貯蓄の実態に注目したあと、老後資金の作り方(※編集部注)についてもお話ししてまいります。

【※参考記事】50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法

70代世帯「貯蓄のリアル」

金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から、70代以上の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)について見ていきましょう。

70歳以上の金融資産保有額【二人以上世帯】

(含:金融資産非保有世帯)

平均:1786万円
中央値:1000万円

70代・二人以上世帯の貯蓄額は、平均よりも実態に近いとされる「中央値」で1000万円。

ところが、貯蓄分布に目を向けると「金融資産非保有」、つまり貯蓄がない世帯が約20%も占めています。

また、3000万円以上の世帯も約20%。70代世帯のお財布事情には、二極化が明確に出ていることが分かりますね。