国立社会保障・人口問題研究所の調査では、2040年には単独世帯が4割に増える予測がなされています。これは65歳以上の単独世帯についても同様の見込みです。
おひとりさまのみなさんは、「老後はひとりで気楽に過ごすから、夫婦世帯ほど貯蓄は必要ないだろう」「ひとりだからこそしっかり老後に備えたい」など、さまざまな考えをお持ちでしょう。
今回は、シングル世帯の貯蓄事情に迫ります。
貯蓄ゼロを含め、著しく貯蓄が少ない世帯の割合などをみながら、おひとりさま世帯の老後に向けた資金づくりについても考えていきます。(※編集部注)。
【※参考記事】50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法
おひとりさま「貯蓄ゼロ世帯」は何パーセント?
まずは、金融広報中央委員会「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」から、世代ごとの「貯蓄ゼロ世帯(金融資産非保有世帯)」の割合を見ていきます。
■【世代別】単身世帯「金融資産非保有」の割合
- 20歳代:43.2%
- 30歳代:31.1%
- 40歳代:35.5%
- 50歳代:41.0%
- 60歳代:29.4%
調査対象全体:36.2%
単身世帯では、貯蓄ゼロ世帯がとても高い割合で存在することが分かります。
とりわけ20歳代、そして定年間近である50歳代が高く、いずれも4割程度が無貯蓄である、ということになるようです。
続いて、「貯蓄額が100万円に満たない」の単身世帯を含めた割合についても見ていきます。
■【世代別】単身世帯「金融資産非保有」+「金融資産100万円未満」の割合
- 20歳代:71.5%
- 30歳代:51.0%
- 40歳代:50.7%
- 50歳代:51.4%
- 60歳代:38.5%
調査対象合計:53.4%
60歳代は多くの人が年金生活をスタートする時期ですが、その時点で単身世帯の4割弱が「貯蓄が100万円に満たない」状態です。
30代・40代の働き盛りの時期に、貯蓄・節約への意識をいかに持てるかも大切になりそうですね。
さて、高収入であれば貯蓄もスムーズに進むのでは?と考える方も多いでしょう。次では、年収と貯蓄の相関性について触れます。