お金を育てて、老後に備える
前述の通り、65歳以上の無職世帯の貯蓄現在高のうち、67.1%が預貯金でした。
しばしば「日本人は預貯金好き」と言われますが、その「好み」を如実に表した結果であると言えそうです。
日本銀行の「資金循環の日米欧比較(2021年8月20日)」によると、家計の金融資産構成に占める「現金・預金」の割合は、アメリカが13.3%、ユーロエリアが34.3%、日本が54.3%でした。ここでも、日本人の預貯金好きの傾向を見て取ることができます。
かつて日本には「銀行に10年預けておくと預金が倍になる」と言われたほどの高金利がついた時代もありました。しかし現在では、仮に1000万円を10年間銀行に預けたとしても、子どものおこづかい程度の利息しか期待できません。
そんな時代に、資産を育てていくには「資産運用」という視点が必要になってくるのではないでしょうか。
実際のところ、金融庁の「人生100年時代における資産形成」によると、1998年からの20年間で家計の金融資産はアメリカが2.7倍に伸びているのに対し、日本は1.4倍に留まっています。
このうち、運用リターンによる要因がアメリカが2倍、日本が1.2倍であると分析されており、日本の家計は運用リターンの恩恵を十分に受けられていないことがわかります。
働く世代は、住宅ローン返済や子供の教育費など、どうしても目先のお金ばかりに気を取られがちですが、家計にあったかたちで資産運用を取り入れていくことが「上手なお金の育て方」となりそうですね。
「老後2000万円」に関わらず、ご自身のセカンドライフをより安心して楽しむために、今年は資産運用への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。