天引きは「年金振込通知書」で確認できる

年金振込通知書を見ると、介護保険料、国民健康保険または後期高齢者医療保険料、所得税、個人住民税が天引きされていると分かります。このように、税金や社会保険料を差し引いて残りの金額が口座に振り込まれる方法を、特別徴収といいます。公的年金は基本的に特別徴収となりますが、条件によっては普通徴収(納付書や口座振替によって納付)する場合もあります。

老後の生活設計は「年金からの天引き」も念頭に置くべし

所得税や住民税は、所得控除や社会保険料控除によって非課税となるケースも多いですが、社会保険料は思った以上に負担が大きいと思われたかもしれません。

今回、例にあげた夫婦二人世帯の年金収入は300万円。社会保険料が約17万円引かれるので、手取り額は約283万円となります。

想定していた年金受給額より、振り込まれる年金額が少ない理由はここにあります。

月額にすると約1万4000円が社会保険料として徴収されます。75 歳以上になると、後期高齢者医療制度に変わりますが、保険料は少し安くなる程度で、負担はそれほど変わらないといえます。

こうした保険料は生涯払い続けるものなので、老後の生活設計を立てるときに押さえておくとよいでしょう。

※読者の方からのご指摘を踏まえて一部訂正させて頂きました(2022年1月8日)

参考資料

石倉 博子