プレ年金世代が「将来資金」を育てるコツとは?
プレ年金世代ともいえる50代。収入がピークを迎え、住宅ローンの返済や教育資金のメドが立ち始める人も増える時期。そろそろ老後に向けた「将来資金」づくりに本腰を入れるつもりの世帯もあるでしょう。
そこで、老後を見据えた資産運用を始めるにあたり、大切なポイントを3つに絞ってお伝えします。
■ポイント①「複利」でコツコツ運用する
複利とは、運用から得たリターンを手元に受取らず、それも含めて再投資を続けていく方法です。
「利子に利子がつく」「雪だるま式に資産を増やす」などと例えられますね。長期戦でコツコツとお金を育てていく視点は、複利のメリットを最大限に活かすことにも繋がります。
■ポイント②「成長資産」に注目する
資産を大きく増やそうと考えたとき、ぜひ着目したいのが「成長する資産」です。
「経済成長が見込める先に投資している金融商品(=成長資産)」、たとえば世界株式の投資信託などに目を向け、長期的な目線を向けていかれるとよいでしょう。
■ポイント③「投資と保障のバランス」を意識する
無収入になったり、大幅に給与が下がったような場合は、資産運用そのものを続けることが難しくなる可能性もありますね。
毎月の積立投資をストップしたり、運用中の資産を早い段階で切り崩すことになるのはできれば避けたいところです。
病気、けが、自然災害などのアクシデントは、いつ私たちの暮らしを襲うか分かりません。まさかのリスクに備えた保障も、準備しておくのが理想的といえるでしょう。
プレ年金世代に求められる「自助努力」
今回は、「プレ年金世代」ともいえる50代世帯の貯蓄事情をながめてきました。
2000万円という金額は、老後に向けた貯蓄目標の一つの目安にはなるでしょう。とはいえ、モデルケースの夫婦世帯の平均的な収支に基づく試算の結果です。
こうした平均値を参考にしつつ、「わが家ならどのくらい必要か」という視点でマネープランを立てていく必要があるでしょう。預貯金・保険・資産運用を上手に組み合わせ、「将来資金」を効率よく育てていければ理想的ですね。
参考資料
- フォーブスジャパン「日本長者番付2021」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ(第21回)厚生労働省提出資料」
宮内 勇資