年収1000万円で満足できないことも?
一方で、同調査より年収1000万円でも満足できないと思う人の理由を確認しましょう。
夫が年収1000万円超えているが税金でかなり引かれるし、児童手当は減額対象になるので(30代 女性)
子育て世代にとっては、進学のために塾などの必要な教育費がかかるため1000万では裕福感は得られにくい(40代 男性)
実際に年収1000万円を超えている人からは、税金の負担の大きさや児童手当の減額対象になるという声が挙がりました。
児童手当は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方が受け取れるもの。月額で3歳未満は一律1万5000円、3歳以上小学校終了前は1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生は一律1万円を受給できます。
しかし、所得制限があります。
たとえば「夫と子ども2人と専業主婦の妻」のご家族の場合、夫が年収960万円以上であれば所得制限の対象になり、特例給付で「児童1人当たり月額一律5000円」となります。
さらに2022年10月分からは、夫婦どちらかが年収1200万円以上の場合、児童手当が廃止される「改正児童手当関連法」が成立しています。
また、今回話題となった18歳以下への10万円相当給付も、児童手当の仕組みが採用されています。先ほどの「夫と子ども2人と専業主婦の妻」のご家庭で、夫が年収1000万円の場合は支給の対象外となるでしょう。
最近では中学受験をするご家庭も多く、塾費用などもかかるため、教育費が大きく裕福とは思えないご家庭もいるようですね。
年収1000万円は夢が膨らむ一方で、家庭の状況によっては満足とは言えない場合もあるようです。とはいえ、やはり目標にしている方もいるでしょう。
参考資料
- 国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
- 内閣府「児童手当制度のご案内」
- 内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」
- 首相官邸「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」(2021年11月19日公表)
宮野 茉莉子