衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)創業者の前澤友作さんが、国際宇宙ステーションへの”宇宙旅行“から、12日の飛行を終えて地上に帰還しました。

コロナ対策の行動制限が緩和され、もとの生活に戻りつつあったところに、新たな「オミクロン株」の登場。

国内旅行でさえまだ躊躇してしまう状況ですが、前澤さんの宇宙旅行に感化され、自分も定年退職をして自由な時間とお金ができたら…と妄想にふけった人はおそらく私だけではないと思います。

宇宙旅行とまでは言わなくても、海外旅行など定年退職後の悠々自適な生活を達成するためには、やはり老後のお金事情が気になるところでしょう。

私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、今回は現在のシニア世代の厚生年金と国民年金の受給額事情を紐解きながら、老後のお金の備え方(※編集部注)についてお話ししていきます。

【※参考記事】【iDeCo】10年で資産残高1000万円を超えた人はどんな運用をしている?

国民年金(基礎年金)と厚生年金のしくみ

まずは「年金制度のしくみ」についておさらいしておきましょう。

1階部分が「国民年金(基礎年金)・2階部分が「厚生年金」です

働き方や立場によって、加入する年金が異なります

国民年金(基礎年金)は、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人を加入対象としています。

年金保険料は定額制(※1)をとっており、全期間(40年間)保険料を納付すれば「満額(※2)」を受給できます。納付期間が足りない場合は、その割合を満額から差し引く計算方式をとっています。

2021年度の月額

※1 国民年金保険料:1万6610円
※2 国民年金の満額:6万5075円

一方、厚生年金は国民年金にプラスして報酬比例の年金を支給する制度です。勤め先にそもそも厚生年金の制度あるか、勤務期間がどのくらいだったか、どのくらい稼いでいたか、などが老後の受取額を左右します。

上記のことから、日本の年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれています。

国民年金「いまのシニア世代の受給額」

まず皆さんが一般的に国民年金と呼んでいる「老齢基礎年金」から見ていきましょう。

厚生労働省年金局が公表する「令和元年度(2019年)厚生年金・国民年金事業年報」によると、男女別の平均月額・受給権者数は以下の通りです。

国民年金の受給額【平均・分布】

〈男子〉平均年金月額:5万8866円
〈女子〉平均年金月額:5万3699円

国民年金「みんなの受給額」

男女ともに、平均月額は5万円台

国民年金全体の平均年金月額は5万5946円となっており、男女問わず受給金額に大きな差はありませんね。