2022年から、高校でも「資産形成」の授業が始まります。これまでなんとなくお金の話は避けられがちでしたが、今後はお金の知識がますます重要になるでしょう。

私たち親世代も、お金について積極的に学ぶ必要があるでしょう。お金の問題を「じぶんごと」として、しっかり向き合う時代が来たのです。例えば将来受け取れる年金。受給額はいくら見込めるのかご存知でしょうか?

今回は「基礎年金だけ受け取れる人」と「厚生年金を上乗せして受け取れる人」にわけて、年金受給額の実情(※編集部注)に迫ります。年金をとっかかりにして、お金の知識を深めていきましょう。

【※参考記事】厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合は?

年金制度を正しく知っていますか?

まずは日本の年金制度を正しく知っておきましょう。皆さんが加入している年金は、「国民年金(基礎年金)のみ」もしくは「国民年金(基礎年金)+厚生年金」のいずれかです。

「2階建て」とイメージするとわかりやすいでしょう。

1階部分が国民年金(基礎年金)・ 2階部分が厚生年金です1/3

1階部分が国民年金(基礎年金)・ 2階部分が厚生年金です

働き方や立場によって、加入する年金は異なります

国民年金(基礎年金)のみの方

日本に住む20歳以上~60歳未満の方は、誰もが国民年金に加入します。一律の保険料を納め、納付期間や加入期間に応じて国民年金が受給できるしくみです。

40年間きっちり納めた場合、満額は月額6万5075円(2021年度)。この水準は前年度よりも0.1%下がっており、今後も引き下げられる可能性が高いです。

国民年金(基礎年金)+厚生年金の方

国民年金に上乗せして厚生年金に加入できるのは、会社員や公務員などです。収入に応じて決められた年金保険料を、毎月の給料天引きで納めます。

納付期間や金額に応じて、将来受け取れる年金額が変わります。保険料が一律の国民年金に比べて、厚生年金は受給額の差が激しいのが特徴です。

「国民年金(基礎年金)のみ」だと受給額はひと月どのくらい?

それでは厚生労働省の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」をもとに、実際の受給額実情を見ていきましょう。

「国民年金(基礎年金)」のみの平均受給額

全体:5万5946円

  • 男性:5万8866円・女性:5万3699円

国民年金(基礎年金)みんなの受給額2/3

国民年金(基礎年金)みんなの受給額

男女ともに平均額は5万円台です

現在年金を受給している方の平均額は、なんと月額5万円台でした。厚生年金に加入していない自営業者などは、この金額が月収となります。相当厳しいと感じる方も多いでしょう。

「厚生年金込み」なら、受給額はひと月どのくらい?

では、「厚生年金を上乗せして受け取れる人」についても見ていきます。民間企業の会社員が受け取る「厚生年金保険(第1号)」の年金月額を確認しましょう。

「国民年金+厚生年金保険(第1号)」の平均受給額

全体:14万4268円

  • 男性:16万4770円・女性:10万3159円

    厚生年金保険(第1号)「みんなの受給額事情」3/3

    厚生年金保険(第1号)「みんなの受給額事情」

    「5万円未満」から「30万円超」まで、幅広い受給額帯に分布しています

上乗せして厚生年金を受け取っている方の平均は、14.4万円という結果になりました。しかし厚生年金は納めた保険料に応じた受給額になるため、現役時代の収入によって大きく前後するでしょう。実際の受給額はグラフの通り、ばらつきが見られます。

男女のボリュームゾーンに違いが出るのは、生涯年収の違いが影響するからです。

現在年金を受給している世代が働いていたときは、共働き世帯が少ない時代でした。女性の賃金は少なく、結婚や子育てでキャリアをあきらめる方も多かったため、このような結果になったのでしょう。

自分の受給額は、ねんきんネットなどで試算できます。これらを目安として老後の収入をつかめば、そこでようやく老後対策のスタートラインに立てます。

高校生に先を越されない!資産形成を正しく知る

高校では金融庁の出前授業などで、資産形成に関するあらゆることが教えられるでしょう。私たち大人も、目をそらさずに向き合わなくてはなりません。

すでに金融庁が中学生・高校生向けに発信しているガイドでは、家計管理や預貯金だけにとどまらず、保険やローン、投資についてもまとめられています。

年金だけでは生活が難しいと捉えたとき、自助努力をするにはこれらの金融知識が必要不可欠でしょう。

ライフイベントを見越してライフプランを立てていますか?人生三大支出と言われる「教育・住宅・老後」に必要な金額を把握できていますか?

そして、これらの資金を貯めるために、投資もひとつの方法として考慮できていますか?

もし一つでも抜け落ちている項目があるなら、早めの対策が必要でしょう。退職後の生活を安定させたいなら、早めに準備をしなくてはいけません。まずは金融に関する正しい知識を手に入れましょう。

また資産形成の一つである資産運用に対しては、ギャンブルと同じようなイメージを持たれる方もいます。たしかに元本割れするリスクはゼロではありません。そこで視野に入れたいのが「少額での積立投資」でリスクを抑えていく手法です。

低金利の時代、預貯金だけでお金を増やすことは見込めません。これからは預貯金に加え、つみたてNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などで資産運用する選択肢もたいせつになってくるでしょう。

大切な資産を守りながらも育てていく。そのためにも、金融の知識は正しく身につけておきたいものですね。

参考資料

LIMO編集部