働き盛りが知っておきたい「老後2000万円問題・3つの盲点」
実は、「老後2000万円問題」の試算にはいくつかの盲点があります。簡単に触れていきましょう。
1. 住居費
この試算のなかには、住居費はほとんど含まれていません。
その金額はわずか1万3656円と、あくまで持ち家を前提にした金額となっています。賃貸に住まいの世帯は、生活費に家賃を含めて計算していく必要があるでしょう。
2. 介護費
さらに「介護に必要となるお金」はまったく含まれていません。また、介護を誰に頼むかで、おのずと費用は変わってきますね。
内閣府「平成30年版高齢社会白書(全体版)」によると、要介護になった場合に「介護を頼みたい人」は、男性の場合は「配偶者」が56.9%、女性の場合は「ヘルパーなど介護サービスの人」が39.5%と最も多くなっています。
女性で独身の場合や、男性でも配偶者に先立たれた場合には、介護サービスを使う可能性が高くなりそうですね。その場合の費用も考えておきたいところです。
LIFULL介護のデータをもとに、平均入居期間(5年)に必要となる費用を計算すると、サービス付高齢者向け住宅の場合、約1000万円、有料老人ホームの場合は約1900万円。
施設の内容や地域差もありますが、いずれにせよ、かなりまとまった資金が必要となりそうですね。民間の介護保険などの活用を検討してもいいかもしれません。
3. 娯楽費
また、「2000万円」の中には、セカンドライフの「お楽しみ費用」は含まれません。
ゆっくりと旅行や趣味などを楽しむ時間も大切にしたいものですね。
実際に必要となる娯楽費には個人差があるでしょう。理想のセカンドライフに必要なお楽しみ費用を生活費に追加して計算してみてください。