天海祐希さん主演の「老後の資金がありません!」という映画が話題ですね。平凡な主婦が主人公という設定もあり、深刻な老後資金の問題をわかりやすく問題提起してくれています。
金融の知識がある方なら、今後の年金額が下がることは予想できます。しかし、老後の暮らしについて考える機会が少ない方なら、映画の内容に衝撃を受けたかもしれません。
どれだけ節約を心がけても、老後資金の問題は誰にでも降りかかる可能性があります。とりわけ深刻なのは、収入源である年金の月額(※編集部注)。多くの人にとって、理想とはギャップがある金額になるでしょう。
今回は現在年金を受給している方の平均額を参考にしながら、老後資金の問題に向き合ってみたいと思います。
【※参考記事】厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合は?
そもそも年金ってどんな制度なの?
日本の年金制度は、基本的に2階建ての構造をしています。
1階部分は国民年金。基礎年金ともいわれるとおり、日本に住む誰もが加入するベースとなる年金です。20歳になれば自動的に加入し、60歳になるまで毎月保険料を納めます。
学生の間や収入が著しく下がったときなどは、免除や猶予を受けることもありますよね。未納期間がある場合は、満額納めた人よりも受給額が下がります。
ただし保険料が一律なので、よほどの未納期間がない限り、そこまで大きな差が出ることはありません。
2階部分は会社員や公務員が加入する厚生年金。国民年金に上乗せしているイメージです。収入の額によって厚生年金保険料が決まり、納めた保険料に応じて年金額が決まります。ちなみに、保険料は事業主と折半して支払います。
では実際に、現在のシニア世代はいくらぐらいの年金を受給しているのでしょうか。次で見ていきましょう。