毎年、チーズのチャンピオンを審査・決定

ニュージーランドでどんなチーズに人気があるかは、毎年行われているNZチャンピオンズ・オブ・チーズ・アワーズの結果を見るとわかります。「ブティック」「中規模」「大量生産者」と、チーズ生産者の規模別にその1年で最も優れたチーズが3つ選ばれるのです。

今年、ブティック部門では「ドランケン・ナニー・ブラック・タイ・ぺティート」、中規模部門では、「マホエ・ベリー・オールド・エダム」、大量生産者部門では、「カピティ・テ・ティヒ・プレミアム・エイジド・チェダー」が選ばれました。

「ドランケン・ナニー・ブラック・タイ・ぺティート」は、2018年からチーズ作りを始めたばかりの新しい生産者、ドランケン・ナニー社の製品で、伝統的なフランスの製法でできたヤギのチーズです。柔らかでみずみずしく、ピラミッド型をしています。春から秋の間の、ヤギの乳しぼりの時期にのみ売り出される特別なチーズです。

「マホエ・ベリー・オールド・エダム」は、とるべき生産者が賞をとったと評されるほど、安定した実力を見せるマホエ社のチーズです。同社は、2012、2013、2014、2015年に同賞に輝いた経験があります。最低10年は熟成の必要があるチーズで、口に入れると甘さを感じ、ほんのりとナッツの味わいが残ります。

「カピティ・テ・ティヒ・プレミアム・エイジド・チェダー」は、ニュージーランド人にお馴染みのヴィンテージ・チェダー。最長で3年間は熟成されています。歯ごたえがあり、風味豊かな味わいで、ひと口食べるとチーズはポロポロと砕けます。

各家庭に必ずある食材、チーズ

ニュージーランド人のチーズ好きは相当なものです。市場や消費者データを専門に扱うスタティスタ社によれば、2019年の国民1人あたりのチーズ消費量は約8キロにも上るとか。日本の農林水産省によると、近年増加傾向がみられるとはいえ、2020年の日本人1人あたりのチーズ消費量2.7kgと比べると、かなりの開きがあります。

チーズは、ニュージーランドのどの家庭にも必ずあるといっていい食品です。スーパーマーケットでは、ブロックでチーズが売られています。250gのものから1kgまでのものまであり、これをチーズグレーター(おろし器)で削って、パンやパスタ、ピザなどの上に乗せて食べるのが一般的です。

250gのものは問題ありませんが、それ以上の重さのブロックをチーズグレーターで削るのは、結構大変。まるで腕のエクササイズをしているようです。