「オミクロン株」への懸念が後退

2021年12月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より287円70銭安の2万8437円77銭でした。

前週は、新型コロナウイルス「オミクロン株」感染拡大のニュースが世界の株式相場を引き下げました。しかし、その後、オミクロン株は感染力は強いものの、従来型と比べて深刻な症状に至りにくいとの見方が広がったことから、経済活動の再開遅延への懸念が後退し、買い戻される動きとなりました。

ただ、週末にかけては10日に発表される11月の米消費者物価指数(CPI)や、来週発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容を見極めたいと、利益確定売りなども出ています。

今週の展開はどうなるでしょうか。10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比216ドル30セント高の3万5970ドル99セントで終えています。

同日に11月のCPIが発表されました。前年同月比6.8%上昇と39年ぶりの高い伸びとなり、市場予想(6.7%)を小幅に上回ったものの、一部には7%に達するとの見方もあったことから総じて想定内と捉えられました。

インフレ懸念が後退したことから買われる展開となり、S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数も反発。日本株も週初から連れ高になることが期待されます。

さて、そろそろ年末が視野に入ってきました。2021年の株式市場はどのように終えるのでしょうか。大きなテーマは、やはりFRBのテーパリング(量的緩和縮小)です。

2022年には利上げが行われるとの見方が広がっており、年内の動きとしては、今週14~15日のFOMCでテーパリングの加速を決めると見られています。FOMCまでは様子見の動きになるかもしれません。ただ、どちらの結果でも、イベント通過後は買われることがよくあります。

利上げ加速が示された場合、円が売られ、ドルが買われる可能性があります。円安傾向になれば、自動車など輸出関連銘柄には追い風になるでしょう。