「老後の生活費」はどのくらい必要になりそうか

年金額が把握できたら、次は老後の支出についても確認しましょう。総務省統計局「家計調査―家計収支編-二人以上世帯(2020年)」を参考にし、二人以上の高齢者世帯の生活費をみていきます。

夫65歳以上,妻60歳以上で構成する夫婦一組の世帯(無職世帯)

消費支出:22万7347円

<内訳>

  • 食料:6万6131円
  • 住居:1万4224円
  • 光熱・水道:1万9810円
  • 家具・家事用品:1万453円
  • 被服及び履物:4789円
  • 保健医療:1万6158円
  • 交通・通信:2万8475円
  • 教育:4円
  • 教養娯楽:2万155円
  • その他の消費支出(理美容・たばこ・小遣い・諸雑費等):4万7149円

この内訳をみると、介護費用が加味されていません。さらに住居費は持家世帯を前提として1万4224円で計算されています。住宅ローン返済額も含まれていません。

本格的な介護が必要となった場合や、老後も賃貸住宅に住み続ける場合、それらを考慮して上乗せで貯蓄を進めておく必要がありそうです。

介護費用の目安

※参考:公益財団法人生命保険文化センター 「介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?」

  • 介護一時費用(住宅改造や介護用ベッド購入等):69万円
  • 平均介護期間:4年7カ月
  • 月々の介護費用:7.8万円
  • 合計費用:498万円

賃貸住居費用の目安(全国平均)

※参考:全国賃貸管理ビジネス協会「全国平均家賃による間取り別賃料の推移」2021年11月調査

  • 1部屋:5万823円
  • 2部屋:5万7934円
  • 3部屋:6万5786円

総平均賃料:5万4988円

先ほどの消費支出では住居費用が1万4224円で計算されていました。こちらの総平均賃料で考えると、約4万円ほどの上乗せになります。さらに「1人あたり500万円程度の介護費用」も必要になりそうです。