ポインセチアの花、本当は「苞」

ポインセチアの赤く色づいた部分は花のようにも見ますが、じつは花ではなく苞(ほう)と呼ばれる部分です。花は苞の中心部に集まっている小さな黄色い部分です。

苞は日照時間に影響を受けて色づくため、苞を赤や白に色づかせるためには「短日処理」が必要となります。短日処理とは、人為的に短日の状況を作ってその状態に置くことです。

クリスマスシーズンに合わせるなら、9月下旬~10月上旬に短日処理を始めます。

植物は照明や街灯の光にも反応してしまうため、日没から朝8時くらいまで照明などの当たらない場所に置くか、段ボール箱などをかぶせます。

そうすると苞がだんだんと色づいてきます。

ポインセチアの耐寒性

ポインセチアは観賞シーズンがクリスマスシーズンであることから、寒い地域の植物だと思われがちです。

じつはポインセチアは熱帯の植物。暑さに強く寒さに弱い性質なので、本来冬は暖かい室内で育てる植物です。

ポインセチアは鉢植えの小ぶりなイメージですが、これは観賞用に品種改良されたもの。

本場メキシコでは地植えで育つワイルドな植物。日本でも亜熱帯に属する沖縄などでは、地植えで庭木として育てられています。中には数メートルほどのものも。

大きく育つポインセチア(Gekko Gallery/Shutterstock.com)

原産国であるメキシコの原住民は、ポインセチアの赤い苞は染料などに利用していたことから、生活とも関わる植物であったことがわかります。