厚生年金を増やすポイント

それでは、将来もらう厚生年金を増やすには、どのようなことを意識したら良いのでしょうか。ポイントは主に以下の3点になります。

1.給与水準を上げる

先述の通り、厚生年金の受給額は給与水準と加入期間に応じて変動します。ですので、給与水準を上げ、加入期間を少しでも長くすることで将来の受給額を増やすことが可能です。

2. 繰下げ受給

厚生年金の繰下げ受給とは、受給開始の時期を遅らせることで年金額を増やすことができる制度です。最大で60ヶ月まで遅らせることができ、1ヶ月当たり0.7%増額になります。

  • 繰下げ加算額=65歳時の老齢厚生(退職共済)年金額 × 繰下げ待機期間 × 0.7%

3.「学生納付特例制度利用者」なら追納も

国民年金の納付義務は20歳からですが、大学生や大学院生・専門学校の学生など、成人してからも学生であるために収入がない人も珍しくありません。

そこで、申請することで在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」を受けることが可能です。

「本人の所得が一定以下の学生」という制限はありますが、未納とは異なり保険料猶予期間も受給資格期間に組み入れてもらえます。しかし、将来の年金額には反映されないため、猶予期間分の保険料を追納しなければ、国民年金の満額受給はできません。

言い換えれば、あとから追納することによって、老齢基礎年金の年金額を増やすことができます。

ただし、追納ができるのは追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られているので、早めの追納、もしくは在学中でも経済的に余裕があるのであれば、できるだけ保険料を納付しておいた方がいいでしょう。