たとえば、運営管理機関手数料が0円の金融機関で毎月10,000円を拠出して10年間運用した場合、手数料は共通手数料の171円のみで合計2万520円(171円×120ヶ月)。

一方、運営管理機関手数料が400円の金融機関で毎月10,000円を拠出して10年間運用した場合、手数料は共通手数料の171円と運営管理機関手数料400円の合計571円となり合計6万8520円(571円×120ヶ月)になります。

①は手数料が拠出額に占める割合が1.71%、②は5.71%ですから、現在の金利水準で元本確保型商品に預けっぱなしにすると、運用益がごくわずかであるにもかかわらず高い手数料だけを負担することになってしまいかねません。

おわりに

運営管理機関手数料は何年、何十年と払い続けるものですが、掛金から差し引かれることもあり、お金を取られているということをそれほど意識しないかもしれません。

しかし、iDeCoは原則として長期間運用するもの。決して安くない手数料を払い続けていくだけの価値があるのかを吟味しつつ、運営管理機関や運用商品を選択することが肝要だと言えるでしょう。

手数料が運用益を上回ってしまった!ということにならないよう、すでに加入している人も、加入を検討している人も、コストを抑えることに意識を向けてみてはいかがでしょうか。

参考資料

中野 令子