今週は、12月1日に米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が発表されます。3日には米国の2022会計年度の暫定予算が期限を迎え、予算の成立が難航すれば市場が混乱するリスクもあります。また、3日には11月の米雇用統計が発表される予定です。
主要な移動平均線を割り込み下落
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週はザラ場の高値が2万9960円と、3万円まであと40円に迫り、直近の戻り高値である11月4日の高値(2万9880円)も超えました。
こういったことから先週は底堅い展開になると予想されましたが、実際には週末にかけて大きな陰線となり、25日線も割り込みました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。少し心配なのは、今回の下落で、25日線だけでなく、心理的節目となる2万9000円、さらには75日線、200日線も割ってしまったことです。
直近の押し安値である11月11日の安値(2万9040円)は、25日線に下値をサポートされてそこから反発していました。しかし、先週ここを割り込んだことで、10月6日の安値(2万7293円)を大底とする短期的な上昇トレンドも崩れてしまいました。
次の節である2万8500円付近が迫っており、ここを割り込むようなことになると短期的には目線を下に持たざるを得なくなります。今週、このあたりを維持できるかどうかがポイントになります。
上値メドとしては直近の戻り高値である11月16日の高値(2万9960円)になりますが、しばらくもみ合う可能性もあります。下値メドは10月6日の安値(2万7293円)が意識されます。ここを割り込むと、8月20日の安値(2万6954円)を大底とする中期的な上昇トレンドも崩れます。
現状は、25日線、75日線、200日線など、主要な移動平均線が収れんしています。今週、まずはこれらの移動平均線を奪回できるかどうかに注目したいところです。
下原 一晃