老後の年金額に男女差。離婚後に気付くリスクも
社会保険加入のメリットの一つは、「将来の年金額が増える」こと。老後は年金のみで生活できないと言われる現代において、将来の年金額を増やすことは大切です。
厚生労働省年金局の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」を参考に、今のシニア世代が受給しているひと月の年金の平均額について確認しましょう。
国民年金の平均月額:5万5946円
男性:5万8866円・女性:5万3699円
厚生年金保険(第1号)平均月額:14万4268円
男性:16万4770円・女性:10万3159円
国民年金のみの場合、女性の平均月額は5万3699円。一方で、厚生年金は10万3159円です。
厚生年金を男女別でみると、およそ6万円もの差があります。厚生年金は、加入月数や収入に応じて受給額が異なるもの。女性は育児や介護のために離職したり、扶養内で働かれたりする方が多いのが一因でしょう。
育児や介護を担うと、実際に長時間働くのは難しいものです。今は実家が遠方で頼れる人がいないご家庭や、1人で育児を担うワンオペ育児のご家庭も多いでしょう。働けないのは仕方ないものの、現役時代の収入が将来の年金額に繋がることまで考えたことがなかった、という方は多いのではないでしょうか。
夫婦であれば、将来の年金も2人分になります。しかし離婚した場合には、女性は自分の年金で老後生活することになります。国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集 2021年版」によると、50歳時の離別割合は10.18%。離婚した女性は離職をするなどキャリアダウンされる方も多いので、離婚してから自分の年金の少なさに驚くこともあります。
ちなみに離婚時には基本的に年金分割ができるので、離婚をした日の翌日から2年以内には手続きを行いましょう。
人生何が起こるかはわかりません。女性はライフイベントの変化が収入に影響されやすいので、それが老後の年金にまで影響することは知っておきたいものです。