「平成27年(2015年)国勢調査」によると、日本の共働き世帯は全体の約6割を占めています。
最近では、男性と同じようにバリバリ働きたいとキャリアアップを志す女性や、女性が働きやすい環境作りに取り組む会社も多く見られますね。夫婦共働きであれば、世帯年収1000万円以上を目指すことも夢ではないかもしれません。
今回は、証券会社で資産運用のアドバイスを行ってきた筆者より、世帯年収600万円と1000万円で、それぞれ共働き率がどれくらいかを解説したいと思います。
また、貯蓄や負債事情についても比較してみましょう。
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世帯年収600万円の「共働き率と貯蓄額」
総務省統計局が公表する「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」第8-2表を参考に、「年収600~650万」世帯の家計事情を詳しく見てみましょう。
世帯年収600万~650万円 勤労世帯の家族構成
- 世帯主の平均年齢:48.3歳
- 世帯人数の平均:3.29人
- うち18歳未満の世帯人員:0.97人
- 世帯主の配偶者のうち女性の有業率:54.8%
女性の有業率、つまり共働き率は半分以上の約55%ということがわかりました。
世帯年収600万~650万円 勤労世帯の貯蓄額と負債額
平均貯蓄額:1209万円
【貯蓄の内訳】
- 通貨性預貯金:412万円
- 定期性預貯金:376万円
- 生命保険など:263万円
- 有価証券:126万円
- 金融機関外:32万円
平均負債額:930万円(うち住宅・土地のための負債:874万円)
純貯蓄額(平均貯蓄額-平均負債額):279万円
平均貯蓄額は年収の2倍程度と一見多いように見えますが、住宅ローンなどの負債を差し引いた純貯蓄額は収入の半分にも満たない結果となりました。
夫婦二人の収入を住宅ローンの返済や教育資金に充てることで、夫婦の老後資金を十分に確保するまでの余裕はまだなさそうに見えます。