かつて話題となった「老後2000万円問題」が、まだ記憶に新しいという方もいらっしゃるでしょう。

老後の生活には、年金以外に2000万円の資産が必要となる、という内容で世間の注目を集めました。この試算でモデルケースとなった高齢無職夫婦世帯の、ひと月の社会保障給付額は約19万円。主に公的年金ですね。

ここでふと、疑問に思う方も多いと思います。
「はたして自分は年金いくらもらえるのだろう」「もし年金が少なかったらどうしよう」

私は以前証券会社で勤務しており、実は、お客様から同じような相談を受けることがありました。老後の年金額は、現役時代の年金加入状況や働き方により大きな個人差が生じます。

今回は、厚生労働省年金局の資料をもとに、厚生年金が「やや少なめ」である月10万円未満の人はどのくらいいるのか検証していきます。

公務員・サラリーマンやその方の奥様方は必見です。

関連記事 年収400万円台「いわゆるふつうの世帯」の貯蓄平均

年金のしくみをおさらい

最初に「2階建て構造」などと呼ばれる、日本の年金制度の基本をおさらいします。

現役時代に加入する年金制度によって、老後に受け取る年金も変わります

国民年金は平均いくら受け取れるのか

さいしょに「国民年金」の受給額平均を、厚生労働省年金局の「令和元年(2019年)度 厚生年金・国民年金事業の概況」から見ていきます。

【国民年金】平均年金月額

全体平均:5万5946円(男性平均:5万8866円・女性平均:5万3699円

男女の差はほぼありませんが、いずれにしても年金だけで生活していくことはかなり難しいといってよいでしょう。