2021年11月12日に行われた、株式会社カナミックネットワーク2021年9月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社カナミックネットワーク 代表取締役社長 山本拓真 氏

1-1. Purpose & Values

山本拓真氏(以下、山本):カナミックネットワーク社長の山本でございます。本日は決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

本日の決算説明会については、2021年9月期決算および会社説明資料も出していますが、11月2日に「カナミックビジョン2030 中期経営計画2022-2024」という中長期の計画も発表しました。今回の決算説明会では、これらの資料を1つにまとめてご説明します。

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長期ビジョンからお話しします。まず、弊社の存在意義は「人生を抱きしめるクラウドで人と社会に貢献する」を掲げています。今後、日本をはじめ世界各国が迎える「超高齢社会」をクラウドプラットフォームによりDX(デジタルトランスフォーメーション)することで、人類がウェルビーイングで持続可能な明るい未来を築くことに貢献していきます。これからも社会貢献をしっかりと行うことで、社会の役に立っていく企業になっていきたいと思っています。

1-2. カナミックビジョン2030

今回「カナミックビジョン2030」として、中期経営計画より少し先の社会に向けて、ビジョンを開示しています。

スライド下段には年表を記載しています。オレンジ色の丸が日本、青色の丸が世界の状況です。昨年からの新型コロナウイルスのパンデミックによる健康意識の変化、マイナンバー活用の推進、科学的介護の推進、介護DXが行われ、現時点ではこのような状況になっています。

近々、日本の高齢化率は30パーセントを突破し、2025年には団塊の世代が全員75歳を超えてきます。また、欧米の先進国の高齢化率も20パーセントを超えてきます。今は新型コロナウイルス感染症で亡くなる方が世界中にたくさんいますが、もともと非感染性疾患による死亡者数については、2030年までに世界で5,500万人にまで増加すると言われていました。このように、生活習慣病やさまざまな課題が全世界的に問題視されています。

2030年には団塊の世代が全員80歳を超え、アジア諸国の高齢化率も15パーセントから20パーセントに上がってきます。まさに、介護保険制度が始まった2000年頃の日本のような状態が、2030年にさまざまな地域で起こるということです。

我々は、これまでPhase1とPhase2で、クラウドサービスにより医療・介護・子育てをしっかりと支え、BtoBやBtoCで、自治体、医療法人、介護法人のソリューションを行うことを繰り返してきましたが、これからも継続していきます。

さらに、Phase2でプラットフォームサービスの拡大が始まっており、BtoB、BtoBtoCではインターネット広告や決済、Web明細、人材紹介、物販など、さまざまなサービスを提供してきました。これからも、さまざまなプラットフォームサービスを拡大していきます。

現在はPhase3であるブランディング期に入っており、今後はBtoCのサービスや、医療や介護関連サービス、データビジネス、健康寿命延伸事業などに力を入れていきます。社会のみなさまに、カナミックネットワークという会社をもっと知っていただきたいと考えています。

中期経営計画には含まれていませんが、2025年からこのようなプラットフォームやクラウド、ブランディングを行ってきたBtoCのサービスなどを含めて、医療・介護ICT、健康寿命延伸事業で海外展開を始めたいと考えています。「カナミックビジョン2030」では、日本の介護で世界の高齢社会を救うことを実現していきます。

1-3. 経営環境の想定と事業戦略

経営環境の想定と事業戦略についてご説明します。バブル末期の1990年頃は、若者5人で高齢者1人を支えていたのですが、今は1.8人で1人となっています。2060年は1.2人で1人を支えることになり、生産人口が非常に減り人手不足が深刻化します。そのため、IoT、ICT、AIの需要は今後ますます高まり、生産性向上も期待されています。

1-4. 経営環境の想定と事業戦略

社会保障費のうち、介護市場は現在10兆円のところ、今後は28.7兆円まで伸びるという試算があります。介護職も現在は211万人のところ、今後は280万人必要ということで、需要の拡大が続いています。その需要に対して大幅な供給の増加が必要になりますが、生産人口の低下、外国人労働者の確保の難しさから、すべてを人手に頼るような現状では難しいため、まさにDXが必須になるような環境だと理解しています。

1-5. 国内医療・介護システム等のTAM、SAMについて

医療介護業界の市場規模は非常に大きいです。その中の国内の医療介護システム等のTAM・SAMについて、獲得できる全体の市場規模やサービスを提供できる市場規模の数値は、医療系システム、データヘルス、介護ソフトのみを抜き出しても非常に大規模なものとなっています。現状のTAMは7,400億円弱、SAMは760億円程度ですが、2030年に向けてまだ伸びていくと思います。

少子高齢化の進展により今後も大きな伸びしろがありますし、先ほどお伝えした2030年のビジョンに則ると、事業領域が拡大した場合には、さらに我々のTAM・SAMは増える可能性があるとご理解いただければと思います。

2-1.2021年9月期連結実績

2021年9月期の業績概要と、2022年から2024年の中期経営計画についてご説明します。2021年9月期は、スライドのグラフのとおり、売上高は前年比110.6パーセント、予算比99.1パーセントの20億8,000万円で着地しました。営業利益は前年比128.6パーセントで、期首予想に対して115.3パーセントとなっています。

2021年5月7日に上方修正しましたが、それよりもさらに上振れ、予算に比べて1億円以上の増益で着地し、堅調に伸びた1年だと考えています。

営業利益率は、通期でも40パーセントを超えており、毎年のように改善を繰り返している状況です。

2-2.2021年9月期 連結実績 サービス別

サービス別ではクラウドが堅調で、前年比113パーセントの伸びとなりました。それに対して、プラットフォームとその他は、前年を少し下回りました。プラットフォームは、新型コロナウイルス関連商材の伸びが止まり、昨年よりも少し落ち込みました。

その他は、コロナ禍により、国の予算が新型コロナウイルス関連に非常に偏ったため、実証事業の公募等がほぼすべてなくなりました。大口顧客のカスタマイズ開発などは確実に受注しましたが、自治体関連や国のプロジェクト関連がなくなったことにより少し落ちています。

しかし、着地としては伸びています。クラウドが堅調に伸びているため、これからもしっかりと成長していきたいと考えています。

2-1.業績予想

上場以来、増収増益を継続していますが、2022年9月期は、売上高は23億5,000万円、営業利益は9億3,000万円、今回から開示するEBITDAは、11億3,000万円と予想しています。

この後、中期経営計画で発表している3ヶ年の業績成長目標についてもお話ししますが、2023年9月期は、売上高が28億円、営業利益が11億5,000万円、EBITDAが14億円としています。2024年9月期はM&Aを想定し、売上高は53億円、営業利益は17億円、EBITDAは21億円を目指していきたいと思っています。

参考として、M&Aを行わなかった場合のオーガニックの伸びもスライドに記載しています。それでも売上高は33億円、営業利益は15億円、EBITDAは18億円と想定しています。

スライド上部にも記載しているとおり、2023年9月期に導入予定の大手介護事業者の受注が決まっており、2022年9月期は、ハードウェア、ソフトウェアともに来期の導入のための先行投資を行います。そのため、今期は利益の伸びが少し弱い部分がありますが、すでに受注が決まっているということで、そちらに向けての準備とお考えください。

M&Aの業績貢献はすべて2024年9月期に計上しており、売上高は約20億円、営業利益は約2億円と開示していますが、業績貢献のタイミングは想定が困難ですし、どの程度のM&Aを行うかわからないため、のれん償却も考慮していません。

今回、3ヶ年分をまとめて2024年9月期に開示していますが、今期、来期、再来期に行うかはわかりません。決して2024年9月期に行うという意味で記載しているわけではなく、この3ヶ年のどこかでこのような規模のM&Aを行うということで、予算を組んでいるとご理解ください。

2-2. KPI目標

KPIであるユーザー数と事業所数についてご説明します。東京都の全域を取れていることもあり、2021年9月期は非常に伸びています。無料ユーザー数は約6万2,000人、有料ユーザー数は約8万9,000人、トータルユーザー数は約15万2,000人と、非常に多くの方に使っていただける状況になりました。事業所数も3万2,000事業所を超えており、堅調に伸びています。

また、今期のユーザー数は約15万2,000人でしたが、3ヶ年の中期経営計画で開示したとおり、2022年9月期には17万5,000人、2023年9月期には21万5,000人、2024年9月期には23万8,000人と、確実に成長していきたいと思っています。有料ユーザーも無料ユーザーもしっかりと伸ばすことを目指していきます。

クラウドサービスを使っていただいている総事業所数ですが、2024年9月期には5万事業所を目標にしています。先ほどお話ししたように、2023年9月期導入予定の事業所の受注が決まっているため、見えているところを加えた上で、過去トレンドを含めて設定しています。予想はトレンドだけでなく、実数値も含めて開示していますので、営業努力で目標を達成できるようにがんばっていきます。

2-5.クラウドサービス 導入地域数推移

クラウドサービスの導入地域数も着実に伸びてきており、2021年9月期末で1,241地域となりました。「東京都多職種連携ポータルサイト」の運営もしっかりとできているため、こちらをキーとしながら、これからも地域数を伸ばしていきたいところです。

これからの3ヶ年も、毎年100地域くらい増やしていくことを目標としています。以前もお話ししたかもしれませんが、我々としては日本の津々浦々というより、やはり高齢化の大きな課題を抱えている都市圏を中心にカナミックプラットフォームを展開し、しっかりと支えていくことが重要です。

もちろんさまざまなエリアで、我々のプラットフォームを使っていただけるようにしていきますが、導入できている地域の中で利用率の向上にシフトし、地域も増やしながら、地域内での利用率を上げていきます。

2-7.株主還元

株主還元は配当性向20パーセント以上を基準としていますが、2022年9月期は3円の増配を予定しています。

2-8.株主還元

抽選式の優待も、継続していこうと考えています。

3-1.2021年度介護報酬改定

2021年9月期にあった事業トピックスの振り返りです。一番大きなところでは、私が介護DX元年と呼んでいる2021年の4月に介護報酬の改定があったことです。そして、「地域包括ケアシステムの推進」「科学的介護(LIFEの取り組み)」「オンライン会議の推進」「署名、押印の見直し(印鑑レス)」「IoT、ICTの導入による体制要件緩和」があります。ITの活用が、より推進されるようになってきています。

我々も、商談が非常に増えています。先ほどお伝えしたように、少し時間がかかるような大手の受注も堅調に伸びてきており、介護DXの始まり後押ししているかたちです。

3-2.経営の健全化や組織改革を支援

介護業界が伸びる中で上場する大手企業も増えたため、我々は識学と協力し、「内部統制やIT統制のカナミックネットワーク」「組織づくりの識学」というかたちでの業務提携も発表しています。

3-3.介護DXへの取り組み

「カナミックかんたんWeb明細」「カナミックかんたん郵送代行(BPO)」という、請求書や領収書発行業務をDXにより効率化する、BtoBtoCのサービスを始めています。

3-4.社員の職場環境整備と健康増進への取り組み

コロナ禍においては、健康経営が非常に重要だと思っていますので、前向きに取り組んでいきたいと考えています。2021年も「健康経営優良法人 2021」に選定されました。

3-5.健康づくり支援

健康都市活動支援機構と共同で、自治体向けの地域データヘルスシステムの標準化を目指したシステム開発を開始し、電子健康手帳サービス(PHR)による健康寿命延伸への取り組みも始めています。

3-6.IR情報

今年の7月に、上場後初めての資金調達を行い、転換社債20億円と新株予約権30億円を発行しています。

このようにM&A資金をしっかり確保することによって、成長に寄与していきたいと思っています。我々の事業に親和性が高く、事業をさらに伸ばすことができるM&Aを目指します。

3-7.IR情報

来年4月に東証市場がプライム・スタンダード・グロースに変更するため、我々は適合の証明書をいただき、東証一部から「プライム市場」への変更を申請しています。それに伴い、コーポレートガバナンスもさらに強化していきます。

3-8.子育て支援

子育て関連のAI評価システムについては、愛知県豊橋市の地域課題解決プロジェクトに参画することになっています。いろいろな地域で児童虐待のニュースが報じられていますが、AIを使ってこれらの問題を解決していく取り組みを開始しました。

4-1.当社の成長戦略について

成長戦略についてです。中期経営計画でも発表しましたが、我々は「人生を抱きしめるクラウド」で、人と社会に貢献するための事業コンテンツ、エリア、ツールを考えています。人が生まれてから亡くなるまでの健康状態を管理するPHRを開発し、日本のみならず世界中の人々が利用できるヘルスケアプラットフォームを構築することで、個人法人を問わず全利用者に付加価値を提供していきます。

4-2.当社の成長戦略について

今まではどちらかと言いますとtoB・toGにおける介護期や、幼少期の医療・介護・子育てに特化した事業をメインで行ってきました。これらの事業は今後も伸びていくと考えていますので、しっかり取り組んでいきます。

しかし、介護状態の方を自立まで戻すのは社会的コスト・人的コストが非常にかかることであるとも認識しています。そのため、未病・予防、健康寿命延伸期に対する介入や、アクティブシニア・成年期の方々に対するtoC向けサービス、またはtoB・toGを支えるサービスが必須になってくると考えています。

これをカナミックヘルスケアプラットフォームとして、より昇華させていくということを成長戦略としています。先ほどお示しした「カナミックビジョン2030」を実現していくためにも、さまざまなコンテンツを充実させていきます。

4-3.成長戦略 ープラットフォーム化ー

我々の成長を牽引してくれるのが、カナミッククラウドサービスとプラットフォームだと考えています。現状でも決済やインターネット広告、AI・IoTなどのテック、シェアリングエコノミー、物販などのさまざまなサービスを提供しています。こちらをさらに拡大させていくことが、成長の第一歩だと思っています。

4-4. 新サービスのリリース

また、幅を広げるという意味でも、絵に描いた餅にならないようにすでにいろいろなことを始めています。例えば、toC向け事業や健康寿命延伸事業、自治体向けAIなどの新しいサービスをリリースすることで事業の幅を広げていきます。このように活躍する場を増やしていくことにより、人々のヘルスケアを支えたいと考えています。

4-5.当社のM&A戦略について

このようにオーガニックグロースしていく中でのプラスアルファとして、M&Aについても積極的に考えています。当社のM&A戦略はスライド30ページに記載のとおりです。

対象となる企業群のイメージをご覧いただくと、健康ビジネス・ヘルスケアから医療・介護・子育ての保険サービスまでという横軸になっています。一方、縦軸はITサービスからリアル店舗ビジネスまであります。

横軸・縦軸で区切った4エリアに関して、これからも事業展開をしていきます。現在はスライド右下の医療・介護・子育て関連のITサービスがメインとなっていますので、この領域における地域包括ケアのシステムや介護システムをターゲットとして稼いでいます。

ただし、周辺には電子カルテシステムや薬局、子育て関連、行政関係のシステムといった分野もあり、競合となる介護システムももちろんあります。これらは最も優先度の高いM&A対象エリアだと考えています。

また、最近ではスライド左下の緑色のエリアにあるとおり、健康寿命延伸のヘルスケアのようなヘルステック事業も始めています。この分野においてもAI、検診、受託などのさまざまなヘルスケア系ITサービスが必要になってくると思っていますので、こちらもM&Aを検討するゾーンだと考えています。

縦軸にリアル店舗と記載しましたが、我々はIT企業としてさまざまな事業のDX化を重要視しており、事業エリアにおいてリアル店舗の展開を考えています。スライド右上のエリアであれば医療・介護・薬局関連サービス、左上のエリアであれば健康寿命延伸サービス、食・栄養・運動・コミュニティのような事業体が対象となります。基本的にはこれらの分野をDX化していきながら、新しい事業としてより社会貢献度を高めていきます。

特に医療・介護・薬局関連に関して、「介護施設を運営するのではないか」という質問をたまにいただきますが、基本的に介護施設を持とうとは考えていません。どちらかと言いますと、その関連サービスを支えていきたいと考えています。カナミッククラウドサービスを使っていただいている介護事業者の競合になろうとしているわけではありません。リアル店舗とITサービスを融合させることでDX化を進めていきます。

4-1. トップメッセージ

来年4月に「プライム市場」へ移行する前に、コーポレートガバナンスコードの改定を受けたESGの取り組みについても開示したいと思います。我々としては「超高齢社会」を、持続可能でウェルビーイングなものにしていきたいと考えています。そのため、ESG経営を推進していきたいですし、ESG経営と「カナミックビジョン2030」のどちらの実現も目指しています。

4-3. ESG関連KPIサマリー

ESG経営において、それぞれの取り組みに対するSDGsについてもご説明します。E(Environment)ではTCFDの提言に基づく情報開示、S(Social)ではSASBスタンダードに基づく情報開示、G(Governance)ではコーポレートガバナンスコードに基づく情報開示をしています。

4-4. ESG重要課題(E):環境との共生:TCFD 提言に基づく開示

まず、E(Environment)においては、我々のような成長企業にとってCO2排出量の増加傾向について考えなくてはなりません。人員が増えたり、事業所が増えたり、お客さまが増えたりすることで、データセンターの電力量は我々のコントロールが効かないところでもう少し増えてしまいます。

しかし、我々の事業は環境破壊するものではないですし、我々が提供しているITサービスによってお客さまのCO2削減に貢献しています。TCFD提言にはありませんが、このような側面があるという点はアピールしたいと思っています。我々としては、GHG強度であるユーザーあたりのCO2排出量を2030年までに半減することをKPIに設定しています。

このようにガバナンス、戦略、リスク管理、指標(KPI)と目標などの開示は定期的に行っていきたいと思っています。

4-5. ESG重要課題(E):環境との共生:TCFDに基づくガバナンス及びリスク管理①

今後は、取締役会直属のESG推進委員会、ミッション会議、気候変動関連対策会議を社内に設置し、環境との共生を考えながら会社を成長させていきたいと考えています。気候変動リスクなどの評価を繰り返すことで、事業を推し進めていきます。

4-6. ESG重要課題(E):環境との共生:TCFDに基づくガバナンス及びリスク管理②

また、エンタープライズリスクマネジメントをしっかり行うことも重要ですので、リスクを引き受けた上で成長性や収益性を向上させ、ESGの課題を解決していきます。

4-7. ESG関連KPIのサマリー

S(Social)についてです。我々はITサービスを提供する社会貢献度の高い会社だと認識しており、カナミックネットワークにとってはS(Social)の部分が一番のアピールポイントだと思っています。

SASBコードに対する現状と中期・長期計画はスライドに記載のとおりです。各種情報漏洩、プライバシー、金銭的損失、サービス中断、多様性なども指標として出しています。

指標からは少し外れますが、我々としては「超高齢社会」をサステナビリティなものにしていくことに価値があると考えています。「超高齢社会」をDX化することで、さまざまな社会課題を解決し、サステナビリティな社会を創造していく企業であるということをあらためて認識してもらえたらと思います。

4-8. ESG重要課題(S):超高齢社会の課題への取り組み

やはり地域包括ケアを支えることが一番重要になってくると思いますし、介護業界のDXの推進、健康寿命延伸を目指したPHR・EHR、健康づくりに力を入れていくことが我々のS(Social)の価値だと考えます。すでにそれぞれの領域でさまざまな取り組みを始めていますので、開示資料のリンクからさらに詳しくご覧ください。

4-9. ESG重要課題(S):超高齢社会の課題への取り組み

スライドにも介護DX元年とあるとおり、IT活用の推進を評価する方針が国からも出ています。当社のクラウドサービスによって介護DXを推進し、「超高齢社会」の課題解決に貢献していくことこそが、我々が社会に対して責任を果たせる部分だと考えています。

4-10. ESG重要課題(S):超高齢社会の課題への取り組み

また、介護は非常に多くの紙を使う業界ですので、請求書や領収書の発行業務などをDXによって効率化していきます。Web明細を導入したり、煩雑な輸送を代行することで人件費や事務作業の大幅な削減、ペーパーレス化につながります。介護現場での業務負荷軽減が社会貢献になると考えています。

4-11. ESG重要課題(S):データセキュリティ

データセキュリティも非常に重要です。医療介護業界においては個人情報漏洩の発生リスクが非常に高いため、我々はプライバシーマークなどの第三者の公的認証を取得し、運営にあたっています。

情報セキュリティ対策に関しては、暗号化はもちろん、さまざまな人的な事故防止にも取り組んでいます。医療情報システムの安全管理に対するガイドラインにも準拠して、国の基準に基づいてしっかりと運営していきます。

また、我々はBCP対応についてもしっかりと行っています。国内複数箇所の強固なセキュリティのデータセンターで管理しており、データバックアップセンターでバックアップも取得しています。これにより、データ喪失・消失のリスクを最低限に抑えています。

各種内部統制の適正性・有効性を対象とした外部機関の評価であるSOC報告書の取得も目指しているため、今後はより強固なかたちで運営していきます。今年度の実績は0件ですが、2024年目標でも0件に抑えたいと考えているところです。

4-12. ESG重要課題(S):データプライバシー

プライバシーに関しても同様に、プライバシーマークを取得して個人情報保護に努めていきます。こちらも今年度の実績は0件で、2024年目標も同じく0件を目指していきます。

4-13. ESG重要課題(S):システム中断等のリスクに対処するための管理アプローチ

最近はさまざまな業界でシステム中断が起きています。やはり機械である以上、ゼロにするのはなかなか難しいのですが、最小限に抑えることを目指します。

2020年の実績では稼働率99.7パーセントとなっています。総務省からは99.5パーセント以上という基準の開示があり、それはクリアしていますが、我々としてはより高い目標を掲げています。2030年の目標として、今よりも停止時間を半減させ、稼働率99.85パーセント以上を目指していきます。

また、先ほどもお伝えしたとおり、各種内部統制の適正性・有効性を対象としたSOC報告書の取得を目指しているため、システム中断への対策もより強固にしていきたいところです。

4-14. ESG重要課題(S):グローバルかつ多様性に満ちた人材の確保と定着

多様性ついては、我々としても非常に力を入れていきたいと考えており、さまざまな人種と性別、多様な才能と感性を尊重し合いながら、同じベクトルで相乗効果を生み出していくのがカナミックネットワークのよさだと考えています。また、我々はイノベーションを巻き起こす企業ですので、みんなに等しく活躍の場を提供したいと思っています。

現在、マネジャーの女性比率は7パーセントですが、2030年には15パーセントに倍増させます。技術職は現在3人に1人くらいが女性ですが、こちらも40パーセント程度まで引き上げていきます。

従業員すべてにおける女性比率は、現在23パーセントですが、こちらも倍近くの40パーセントまで引き上げます。また、マネジャーの外国人比率は現在11パーセントですが、少し上げて13パーセントにしていきたいと考えています。

海外従業員の比率も、現在15パーセントのところを25パーセントまで伸ばし、もっとグローバルにしていきます。こちらに伴い、国内従業員の比率は75パーセントに下がりますが、これからはグローバル化を目指すということです。

4-15. ESG重要課題(G):コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスコードに基づく開示について、ご説明します。こちらは、各原則をすべて実施しています。コーポレートガバナンス報告書を当社のホームページに掲載しており、随時、開示しています。詳細や進捗はそちらをご確認ください。

今回は、体制の中で取締役会直属のESG推進委員会を設置した部分が変更になっているため、開示しています。

4-16. ESG重要課題(G):コーポレートガバナンス

今回のコーポレートガバナンスコードの改定により、取締役のスキルマトリックスも開示しています。当社は「医療・介護・子育て・ヘルスケア」分野に特化したIT企業のため、超高齢社会をDX化していく企業の取締役陣として、多様な経験やスキルを持つ取締役、監査役を選任し、サステナビリティな経営を推進したいということです。

そのため、性別、社外役員、指名委員会、報酬委員会についても、委員ごとに記載しています。当社にとって必要なスキルである、企業経営経験、重要事業および業界経験、IT・DXのスキル、財務・会計、法務・リスク管理、環境・社会・ガバナンスなどのESGに知見のある方を、バランスよくそろえていると考えています。

スライドの表は、各人に特に期待される項目を記載しているため、それぞれが持つすべての知見や経験を表すものではないことをご了承ください。

4-17. ESG重要課題(G):コーポレートガバナンス

よく投資家の方々からご質問いただく部分を開示しています。見える化しただけなのですが、スライドに記載の表を見ていただければわかるように、取締役会における社外役員は3分の1以上となっており、ジェンダー構成として、女性が1人います。

指名委員会や報酬委員会も、3分の2を社外役員で構成しているため、ガバナンスをしっかりと確保した運営を行っていることを、ご確認いただければと思います。

決算説明、および中期経営計画についてご説明しました。資料が2つあったため、それぞれから抜粋して行いました。細かいところはそれぞれの資料で開示しています。

今後は、ESG経営をしっかり考えて「カナミックビジョン2030」とリンクし、社会貢献をしていきながら、業績を確実に上げていきます。この3年間を、非常に伸びる3年間にしていきたいと考えています。

質疑応答:ユーザー数の伸び率が売上の伸び率より大きい要因について

質問者1:中期経営計画の数字について、売上が20億円から33億円へ約1.6倍になるということは、KPIであるユーザー数や事業所数も大きくなってくると思います。売上の伸びとユーザー数の伸びを比べると、ユーザー数の伸びのほうが大きく見えますが、現行のシステムにおいてARPUが上がったり下がったりしたという前提などは特に置いていないと考えてよいでしょうか?

山本:M&Aを除いた数字で33億円の売上を提示しております。ユーザー数のほうが伸びが大きいというご指摘でしたが、大手企業が何社か参入してきますのでユーザー単価は若干下がると予測しています。

質疑応答:中期経営計画におけるM&A効果の根拠について

質問者1:M&Aの効果を20億円で考えているとのことですが、このように具体的な数字が出せるのは何か裏付けがあるからだと考えてよろしいですか?

山本:M&Aの対象となる4エリアについてお伝えしましたが、それらをより深堀りした対象・規模も社内的には決定しています。それを前提として、3年間で達成可能なところまで積み上げたのがこの予算です。

ただし、これ以上にM&Aを行う可能性もありますので、堅いところだけで予算を立てています。つまり、固定の案件を想定しているわけではありません。

質問者1:M&Aを行う分野は、プラットフォームサービスとクラウドサービスのどちらの方向になる可能性が高いですか?

山本:主にプラットフォームサービスになると思います。

質疑応答:プラットフォームサービスの成長鈍化の理由と打開策について

質問者1:コロナ禍の影響もあり、足元のプラットフォームサービスは前年同期比でマイナスとなっています。この分野は成長し続けると見ていましたが、「成長が弱いな」というのが正直な印象です。今までの成長スピードに対する振り返りと、今後の成長スピードを加速させるための手段について、社長のお考えを教えてください。

山本:コロナ禍によって特殊な期になってしまい、そのように見えてしまうのはおっしゃるとおりだと思います。2020年9月期と2021年9月期に関しては、物販に原価がかかるものが乗ってきているため、大きな金額として出ているように見えています。

物販だけは仕入れと販売があるため、大きく見えやすい傾向があります。それ以外の決済、インターネット広告、人材紹介などは手数料収入分しか基本的には計上しておらず、見た目的には小さくなりやすいです。

そのため、全体の総量が売上として上がらずに、ほぼ利益だけが乗るような計上になっています。こちらがしっかりと伸びている分、実はしっかり利益貢献もしており、決して全体的にマイナスになっているわけではありません。

ただし、ここからどんどん伸ばしていかないといけませんし、プラットフォームサービスが我々の新しい柱になると信じて推し進めています。顧客層の変化などによって、まだまだ伸ばせる領域だと思っています。この点をみなさまにしっかり開示していくことで、認めていただけるような成長を見せていきたいと考えています。

質問者1:今後、プラットフォームサービスの利益を開示する予定はありませんか?

山本:このあたりはすべてが連動して1つのセグメントになっているため、細かい分解をする予定は現状ありません。例えば、事業が増えてきたときに、監査法人から「細分化して開示するべきだ」という話があれば、検討することもあると思います。

質疑応答:「東京都多職種連携ポータルサイト」の反響と売上100億円の達成見込みについて

山本:「『東京都多職種連携ポータルサイト』はコロナ禍においてどのような効果がありましたか? ほかの都道府県からの視察や問い合わせはありましたか? また、以前お話があった売上100億円はどのくらい達成できると考えていますか?」というご質問をいただきました。

「東京都多職種連携ポータルサイト」は新型コロナウイルス患者の転院支援のマッチングシステムとして使われています。まずは、新型コロナウイルスの患者さまができるだけ亡くならないように支援できたと思います。

また、ほかの都道府県から視察のオファーをもらっていますので、新型コロナウイルスの流行が落ち着いてきたタイミングで、これからどんどん動いていけるのではないかと思っています。最近はまた流行がリバウンドし始めているところもありますので、タイミングを見計らって視察を受けていきたいと思います。

売上100億円の達成見込みについては開示資料に記載がないため、言及は避けたいと思います。中期経営計画において、50億円を超える予測はすでに開示しています。近いうちに売上100億円も見えるようにしていきたいと考えています。

質疑応答:売上高成長率低下の影響と2030年時点のB/Sのイメージについて

山本:「第4四半期だけに限ると、売上高成長率が前年比2.1パーセント増で、第3四半期の12パーセント増から低下していますが、これは売上認識のボラティリティによるものでしょうか? また、現時点ではB/Sに現金が37億円ありますが、2030年時点での現金比率とROE、自己資本比率のイメージはありますか?」というご質問をいただきました。

昨年の第4四半期に新型コロナウイルス関連商材で大きな売上が立ったため、そのような物販の影響による差だと考えています。2020年の第4四半期に特殊な影響がありましたが、特に業績が低下したり、売上の伸びが落ちたりしているわけではないとご理解いただければと思います。

また、B/Sについてですが、2030年時点の現金比率とROE、自己資本比率を細かくは開示していないため、イメージでご説明します。50億円の資金調達は基本的に資本性の調達だと認識しています。そのため、自己資本比率は改善していくと考えています。

各数値についても改善していくと思ってはいますが、M&Aを行い、現金で残すよりは、投資によって売上・利益を作れる事業に転換させていきたいです。

質疑応答:クラウドサービスの導入地域と東京都の導入割合について

山本:「今期、クラウドサービスの導入が増えたのは主に東京都でしょうか? 東京都で何パーセントほど取れているのでしょうか?」というご質問をいただきました。

スライド12ページについてあらためてご説明すると、2021年9月期の導入地域数は1,241地域ですが、東京都は2019年9月期の817地域から2020年9月期の1,159地域に増えた時に含まれるため、今期ではありません。今期は、他のエリアで100地域弱増えているということです。

どのくらい取れているかということについては、東京都は全域のため100パーセントです。こちらはカナミックネットワークでは運営しておらず、「東京都多職種連携ポータルサイト」で東京都と契約しています。全域で使える地域包括ケアおよび転院支援のマッチングをする機能を持っており、東京都23区と市部も含めてすべてのところで使っていただける仕組みのため、東京都は100パーセントとご認識いただければと思います。

質疑応答:国内医療・介護システム等のTAM・SAMについて

山本:「中期経営計画のスライドの8ページで国内医療・介護システム等のTAM・SAMを開示いただきましたが、2030年のそれぞれの数字において、どの程度のシェア獲得が可能なのか、定性的な背景とご自身の確度をあわせて教えていただけると幸いです」といただいています。

カナミックネットワークとしては、中長期的に全体の過半を狙っています。我々が一番使われているという状態までいきたいというのが本音です。そのような意味では、しっかりと過半を狙い成長していきたいと考えています。

特に、地域包括ケアや介護ソフトでは、我々の伸びは非常に勢いがあると思っており、シェアもかなり取ってきているため、確実に狙っていきたいところです。

先ほども少し開示しましたが、介護の大手企業がかなりカナミックネットワークを使うように変わってきています。大手企業との取引を増やすことで、我々のプレゼンスは業界の中で上がってきているという自信もつきました。

介護ソフトベンダーなどによる提案入札が大勢で行われても、ずっと我々が勝ってきているため、よりソフトなソリューションができると自負しています。

我々が最も使われる状態になることが、社会を救っていくことにつながるという自信があり、結果も出してきていますので、さらに広げていきたいと思っています。

また、大手企業が変わっていく中で、介護業界もM&Aがかなり起きており、中小零細企業が大手企業に合併や買収されています。我々がお付き合いしている大手企業も、中小零細企業を買収して大きくなっていくと思いますので、しっかりと取引を継続することが重要だと認識しています。

質疑応答:50名以下の介護事業所へのアプローチについて

山本:「介護事業所は50名以下の事業所が多い印象ですが、このような事業所にはどのようにアプローチしていくのでしょうか?」というご質問をいただきました。

我々のお客さまは大手企業が多いと言いましても、1事業所あたりで考えると、非常に少ないところが多いです。そのため、事業所のソリューションという意味では、中小零細企業へのソリューションにつながっていきます。中・大手企業のお客さまが多いとお伝えしましたが、比率としてはかなりの数が超零細企業です。そして、人数が増えつつある企業が多い印象です。

ソリューションには多くの事業所を扱う場合と、1事業所だけの場合という2つのパターンがありますが、超零細企業に対応しないということではありません。中小零細企業の1事業所だけというお客さまもかなりいらっしゃるため、大手企業が行っているような効率化を、中小零細企業でも同じように実施できると認識いただければと思います。

語弊があったかもしれませんが、大規模から中小零細企業まで、すべてをカバーしているソフトだとご理解ください。

山本氏からご挨拶

本日は、決算説明と中期経営計画を混ぜて発表しました。これから、大きく飛躍していきたいと考えています。細かいところでもっと聞きたいという声をいただければ、1on1でもご説明しますので、ご連絡いただければと思います。

ぜひ、今後ともカナミックネットワークの成長を見守っていただき、応援していただきたいと思います。我々は、非常に社会貢献ができる企業だと自負しています。これからもがんばっていきますので、応援のほどよろしくお願い申し上げます。

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