2021年11月12日に行われた、株式会社プラスアルファ・コンサルティング2021年9月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社プラスアルファ・コンサルティング 代表取締役社長 三室克哉 氏

目次

三室克哉氏(以下、三室):株式会社プラスアルファ・コンサルティングの三室でございます。どうぞよろしくお願いします。本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございます。

今回は、本決算の初の説明ということで、会社概要についてご存じのない方もいると思いますので、まずは簡単に事業の内容などをご説明します。その後、2021年9月期の決算、そして2022年における業績の見通しといった順番で進めていきたいと思います。

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会社概要

会社概要についてです。我々の事業内容はデータ分析プラットフォームにおけるクラウドサービスの提供です。拠点は東京、大阪、福岡の3拠点で、社員は現在187名います。

事業コンセプト ~ビッグデータを可視化するプラットフォーム~

スライドは、我々の提供するサービスの基本的なコンセプトについてです。左側に記載されているさまざまな情報は、IT化、デジタル化が進んだことにより、それぞれのデータをすべてビッグデータ化している状態です。このようなデータを上手に活用することが、企業の生き残りには非常に重要だと思います。

それを踏まえた上で、我々はテクノロジー、テキストマイニング、データマイニング、AIなど、これらのビッグデータを実務に活用するノウハウを持っています。いくつかの領域で、企業の方の業務の効率化と、特に意思決定を支援するサービスを中心に提供しております。

主要サービス ~複数領域で全て黒字のSaaS型事業を展開~

我々の主要なサービスは3つあります。1つは「見える化エンジン」です。文章のデータを分析するテキストマイニングという少し変わった技術を駆使し、お客さまの声、お客さまのアンケートの自由回答欄、コールセンターに寄せられる問い合わせのデータ、また、「Twitter」などにおけるSNSのデータをお客さまの声として分析します。お客さまがどのような悩みを抱え、どのようなニーズがあるのかを把握し、商品やサービスの改善に活かすサービスを提供しています。

2つ目は、CRMのソリューションの「カスタマーリングス」です。これは通販、ECなどを展開している企業の方にお使いいただくことが多く、お客さまの購買履歴やWebサイトにおけるアクセスのログ、もしくはメルマガを配信した時にどこをクリックしているのかといったデータを活かし、お客さまに最適なタイミングで最適な情報、商品のレコメンドをするものです。

ここ最近、マーケティングの領域ではかなりの人材不足、人手不足が指摘されており、このようなマーケティング施策を自動化する目的でも使われることが多くなっています。

3つ目は、今まさに注目されているタレントマネジメント領域の「タレントパレット」です。これは社員の情報、例えば評価、スキル、適性、モチベーションなどの情報を分析し、人材育成や最適配置、さまざまな人事施策に活用するものです。

すべてサブスクリプションモデルになっており、基本的な課金体系はデータのボリュームに応じています。つまり、「見える化エンジン」での分析の対象になるデータの量、「カスタマーリングス」での顧客数やメールの配信数、「タレントパレット」での社員数です。このようなものに応じて金額が変わってきます。

事業の強み ~ビッグデータを実務に役立つ形で可視化する高い技術力~

続いて、弊社の事業の強みについて3つほどご説明します。まず1つ目はテクノロジーです。我々はデータマイニングやテキストマイニングをはじめ、さまざまな技術を有していますが、それをそのまま機能にするのではなく、さまざまなビッグデータを可視化するアウトプットを豊富に揃えています。

これにより、現場の業務知識をお持ちの方が自分で操作することができ、こうしたアウトプットによって何らかの気づきを得てアクションに活かすことが可能になります。

事業の強み ~サービスの高速進化を実現する組織力~

2つ目の事業の強みは、サービスの高速進化を実現する組織力で、弊社にとっては「PACサイクル」になります。

我々には、開発、営業、コンサルティングチームがそれぞれありますが、開発チームが作った機能をすばやく営業チームが市場に導入し、コンサルティングチームがお使いいただく企業の方へのサポートを担います。そこで新たなニーズを引き出し、さらに開発チームにフィードバックします。このサイクルが高速に回れば回るほど、サービスはどんどん進化していきます。

これにより、機能の高速進化による差別化や付加価値の高い機能を作ってARPUが向上しますし、全チーム総力戦での解約防止等も行えます。

他社と異なる特徴については、やはりコンサルティングチームの存在だと思います。例えば「タレントパレット」でいうと、科学的人事の観点から「人事にデータ活用が必要です」というコンセプトをお伝えしています。

このようにコンサルティングチームは、企業の方にコンセプトをぶつけ、それに共感していただいた企業と一緒にコンサルティングのプロジェクトを立ち上げ、さらに新しい機能のニーズを引き出して機能化します。

ここでは、お客さまと対等なパートナー関係を築くことができています。企業の役員レベルの方とも対等なお話ができ、新しいサービスについても提案できる関係になっています。

事業の強み ~SaaS事業基盤による複数事業展開、新事業構築力~

3つ目は複数事業の展開、新しい事業の構築力です。我々は今期で16期目となりますが、SaaSのノウハウ本等がまったくない時から、試行錯誤を重ね、SaaSのビジネスを構築してきました。それが「見える化エンジン」「カスタマーリングス」というわけです。

それによってノウハウが蓄積されています。カスタマーサクセス、マーケティングの手法、ビッグデータの見える化技術、大量データ処理のシステム基盤などが何年もかけて築き上げられてきたのです。したがって、「タレントパレット」は、サービス開始から5年ほど経ちますが、非常に速いペースで黒字化を実現しました。

マーケティングの領域から、人事の領域に基盤を置き換えることで、「タレントパレット」は早期に立ち上がり、黒字化が実現できたのです。さらに言うと、「タレントパレット」の次、つまり教育支援や営業支援についても、同じ基盤を活用して新しく立ち上げ、黒字化を目指していきたいと思っています。

タレントパレットの特徴 ~「科学的人事」を武器に人事領域へ参入~

ここからは「タレントパレット」についてです。なぜ、マーケティングのサービスを展開してきた我々が、人事の領域に参入したのかという理由です。

私自身、経営者として社員数が80名、100名と増えていった時に、社員をしっかり見ることができなくなったという経験があります。当時、そのような悩みを解決できるサービスは存在しないものだろうかと少し調べてみたものの、なかなか見当たりませんでした。人事業務の効率化を図るサービスはあっても、社員を分析的に理解するサービスはなかったのです。

一方、マーケティングの領域は、データを活用しなくては成り立たない業界になっています。スライドの左側にあるマーケティングの施策については、データに基づいて行われています。これは、そのまま人事の領域でも同じように使えるのではないかと考えて作ったのが「タレントパレット」なのです。

まさに「顧客の見える化」を「社員の見える化」に置き換えて作ってあります。人事の業務の効率化だけでなく、意思決定を支援するところに特徴があると考えています。この我々のノウハウは他社にはなかなか真似できないと思います。マーケティングの領域で事業を展開してきた我々の圧倒的な差別化要素ではないかと考えています。

タレントパレットの特徴 ~多数のコンサル事例から高速機能開発~

続いて、「タレントパレット」の高速機能開発についてお話しします。ページ左側の円グラフの右下にありますが、弊社では、年間300案件くらいのコンサルティングプロジェクトに取り組んでいます。延べ600テーマほどありますが、その中の4割程度は科学的人事に関するコンサルティングになります。

ここでは「人材育成」「最適配置」「サクセッションプラン」そして「人材データ分析」とさまざまなテーマがあります。このようなコンサルティングのプロジェクトから、いろいろなニーズや機能の要望などを聞き、右側の棒グラフにあるように5年で3,000以上の機能を標準搭載してきています。

引き出す力と機能を高速に作る力が上手く噛み合い、このような進化が遂げられたと考えています。

タレントパレットの特徴 ~人材情報の総合プラットフォーム~

まさに今、「タレントパレット」は人材情報の総合プラットフォームにまで進化しています。表の左側にあるような人事、人に紐づくさまざまな活用データを収集し、取り込むことにより、「タレントパレット」の中に、人の見える化となる「人材のダッシュボード」、組織の見える化となる「組織のダッシュボード」が構築できます。さらに、さまざまな人事施策の精度を高めるための機能が豊富に存在しています。

それらにより、表の右側にある「経営層」「人事部」「マネージャー、一般社員」のそれぞれに対してメリットがあるプラットフォームとなっています。

タレントパレットの特徴 ~業界を代表する企業による多数の導入実績~

実際に、非常に多くの業界を代表する企業さまにおいて、導入が進んでいます。部署の単位での導入ではなく、ほとんどが全社的に全社員の情報を蓄積するかたちでの導入となっています。

タレントパレット事業の展開 ~人事の周辺分野への進出~

次に、今後の展開についてご説明します。「タレントパレット」は、まさに企業の中での人材情報がすべて集まるプラットフォームになっています。この情報やデータを人事の周辺分野でもさらに活用できるのではないかと私どもは考えています。

例えば、人材紹介では「タレントパレット」にある会社内で活躍している人がどのようなスキル、キャリアを積んできたかという実例のデータを用い、採用時の類似やマッチングのスコアリングにより、採用の精度を上げることができます。

研修においても同じように、「タレントパレット」には「どのようなスキルがあると活躍できるか」「そのスキルを学ぶにはどのような研修があるか」といった情報が、実例としてあります。これを活用し最適な研修のレコメンドができると思っています。

このように、タレントパレットに蓄積された情報を活用し、「福利厚生」「ヘルスケア」も含めた人事周辺分野について本格的にアライアンスやM&Aを選択肢として参入していきたいと思っています。

本ページに「労務管理」もありますが、さまざまな企業の方に利用していただいた中で、これだけのデータが「タレントパレット」にあるのであれば、労務管理の入退職の申請をはじめとした、いろいろな各種労務の申請などもできるのではないかという要望があります。ですので、そのような部分も機能化し、企業にとって必要な機能となる安否確認、ストレスチェックといったところもどんどん搭載し広げていきたいと考えています。

新事業創出へのアプローチ ~ビッグデータ の「見える化」 新領域~

「タレントパレット」の次の事業についてご説明します。冒頭でご説明したとおり、私どもは、ビッグデータがありながらも、なかなか活用できていない領域が、私どもの強みを活かせる領域だと思っています。

まさにこのページの表の右下部分にあたります。データ量が増加していますが、まだデータの活用度が低い領域です。そこに教育支援サービスや営業支援サービスがあると考えています。

まだ仮の段階ではありますが、ロゴも作り、教育支援系の「ヨリソル」、営業支援系の「セールススクエア」といったサービスのプロトタイプを作っています。今期中のどこかでこれらのベータ版を出し、トライアルなどに進めていきたいと思っています。

ここまでが会社概要となります。

ハイライト

続いて、2021年9月期の業績についてご説明します。最初にハイライトですが、全体的なところでいいますと、タレントパレット事業が非常に好調に継続しています。第4四半期も導入数が大きく伸び、計画以上の業績を達成しています。また、コロナ禍が長引いている環境もありましたが、「見える化エンジン」「カスタマーリングス」についても、当初の計画をきちんと達成している状態です。

具体的にお話ししますと、2021年9月期の売上高は29.4パーセントの増収となっています。営業利益は47.3パーセントの増益、営業利益率は34.4パーセントという、非常によい数字で実現できていると思っています。

リカーリング収入(MRR)が前年比32.1パーセント増と、大きく積み上がってきています。ARRは58億円を超えるところまで成長しています。

タレントパレット事業については、売上高は65.8パーセントの増収と非常に大きく成長できています。共通費控除前ですが、営業利益も166.4パーセント増益と非常に好調です。

新型コロナウイルスの影響もあり、上期のプロモーション費用が一部使いきれなかった部分があり、その分を下期で少し多めに使うと前回の決算発表の時にご説明しておりましたが、基本的にその方向で進めました。しかし、下期も計画ほどは大きく使いきれず、一方で売上は想定より伸びたため、通期の営業利益は計画を14.6パーセント上回った着地となっています。

これに基づき、配当性向は20パーセント程度を想定していたため、今回は5円94銭を7円20銭に変更しています。

今期2022年9月期の見通しですが、売上高は76億5,000万円で前年比25パーセント増、営業利益は25億円で営業利益率32.7パーセントを見込んでいます。タレントパレット事業が成長の中心になることにより、売上の伸び幅は前年を上回る15億円以上を計画しています。

コロナ禍も明ける時点で、成長加速のためプロモーション投資を積み増していきたいと思っています。とはいえ、営業利益率はきちんと30パーセントを超えるところを確保したいと考えています。

業績ハイライト

今お話しした部分が説明の大半になりますが、経常利益が20億円を超えており、前年比44.7パーセント増となっています。

通期業績 計画比 (全社)

次に、計画に対しての実績・達成率をご説明します。まず、売上高は計画より2パーセント上回っています。営業利益は、マーケティング費用を抑えながらも新規の獲得などにおいて順調に進み、計画より14.6パーセント増となりました。

業績サマリー (全社)

第4四半期は足元が非常に好調で引き合いも多くなっており、売上高は32.8パーセント増、営業利益率も34.7パーセントと、よい数字になっています。

業績ハイライト (タレントパレット事業)

こちらはタレントパレット事業単体での数字です。売上高は31億円を超え、前年比65.8パーセント増となりました。営業利益は15億円を超え、166.4パーセント増です。営業利益率は48.2パーセント、MRRが77.3パーセント増と非常に大きく伸びています。

顧客数も想定より多くなっており、700件まで伸びています。前年比270件増となり、1.6倍くらいになっています。

業績進捗 (タレントパレット事業)

これも健全な伸び方と思っています。タレントパレット事業の計画に対し、売上高は2.8パーセント増、営業利益は17.1パーセント増です。MRRは想定より15パーセント以上、上回っています。特に解約率は1.1パーセントを想定していましたが、逆に下がり、0.38パーセントとなっています。顧客数は616社を目標にしていましたが、結果は700社と、想定より13.6パーセント増となっています。ARPUはほぼ想定どおりです。

売上高の推移(全社)

本ページの2つの棒グラフは、四半期ごとの売上高の推移を示しています。左側の棒グラフの紫の部分はリカーリングの月額収入にあたり、グレーの部分はスポット収入です。スポット収入は初期費やコンサルティングによる売上となります。リカーリング収入は四半期で前年比32.9パーセント増と、順調に積み上がっています。

そして右側の棒グラフは事業別の売上高を示しています。「タレントパレット」も伸びていますが、「見える化エンジン」「カスタマーリングス」も徐々に回復してきていると考えています。

売上高の推移(タレントパレット)

「タレントパレット」のみの売上高の推移と解約率をみてみます。「タレントパレット」は今は新規の導入が増えているため、本ページ左側にある棒グラフのグレーのスポット収入、いわゆる初期費やコンサルティングの部分もある程度割合がありますが、ピンクのリカーリング収入の部分がきちんと伸びており、四半期ベースで前年比77.5パーセント増となっています。

前回の決算発表時には、タレントパレットの売上は第2四半期と比べて、第3四半期は横ばいなのかという心配もいただきましたが、スポット収入はもともとの季節要因として第2四半期と第4四半期に少し厚みが出てくる部分があり、実際に第4四半期のスポット収入が大きく増えた要因もあり、大幅に売上が増えています。

解約率は先ほどご説明したとおりになります。

顧客数、解約率の推移

続いて、顧客数、解約率の推移です。全体として、前年から契約が246件増えています。やはりこの増え方において「タレントパレット」が一番貢献しています。「見える化エンジン」「カスタマーリングス」についても、コロナ禍が明けるタイミングで少し回復にむかっていると思っています。

解約率は全社的に1パーセントを切っており、全体的に下げてきている状態です。

顧客単価(ARPU)の推移

ARPUの推移です。「見える化エンジン」「カスタマーリングス」は前年比で6パーセント増程度となります。これは、コロナ禍の中で既存のお客さまに対して活用の度合いを高めるような施策を行っていたことの結果によるものです。

「タレントパレット」はアップセルの部分もありますし、規模の大きな会社さまも導入しているため、前年比で10.3パーセント増えています。ただ、コロナ禍が明けたところからは、既存のお客さまに対する深掘りから新規獲得にもパワーシフトしていきたいと思っているため、順調に進んだ場合は、ARPUの向上も多少なだらかになっていくだろうと考えています。

主要KPI ~2021年9月期~

KPIについてはほとんどご説明した部分になりますが、スライド下段中央に示しているリカーリング、ARPUについてお話しします。

リカーリングの比率は84.3パーセントになっており、安定的な収益が8割以上となっています。中身をみますと、「タレントパレット」が多少低く、78.4パーセントとなっていますが、これは先ほど23ページ左側の棒グラフでお話ししたスポット収入が一定の割合であるため少し低い数字となっています。ただ、この割合は稼働社数が積み上がっていくことで変わっていくと考えています。

下段右側のARPUは33万9,000円と、他社さまに比べるとかなり高い単価になっているのではないかと思います。これは、先ほどのPACサイクルで付加価値の高い機能をどんどん追加しているため、このような高いARPUが実現できているのではないかと考えています。

主要KPI ~前期比~

前期比の主要KPIについてはほとんどご説明した部分になりますので、資料のみお示しします。

販売管理費の推移

販管費の推移についてです。繰り返しになりますが、コロナ禍で第1四半期と第2四半期にあまり使えていなかったところを、第3四半期と第4四半期に少し増やしています。とはいえ、そこまでは増えていないため、このようなかたちになっています。

従業員数の推移

従業員数の推移についてです。稼働の社数が増えると、サポートなどをするコンサルティング部隊を強化していかなければならないため、基本的にはコンサルタントの増強を行っています。ただし、特に「タレントパレット」の新しいお客さまの増え方からすると、この社員数の増え方では少し足りないため、今期はより採用を強化していこうと考えています。

バランスシートの状況

バランスシートは純資産が49億円ということで、前年比で13.3億円増えています。それ以外で見るとかなりシンプルでスリムな財務体質を維持できていると思っています。

2022年9月期の業績見通し

ここからは、今期2022年9月期の見通しのご説明になります。まず、売上高は76億5,000万円、営業利益は25億円を目指そうと思っています。基本的にはタレントパレット事業の成長が貢献していくと思っています。

2022年9月期の業績見通し (セグメント別)

セグメント別です。スライド左側の売上高をご覧ください。「見える化エンジン」「カスタマーリングス」も6パーセントから7パーセントくらい成長し、来期か再来期では10パーセント近くまで成長していきたいと思っています。

ただし、今のところは「タレントパレット」の成長が全体的な牽引役です。営業利益については、先ほどお伝えしたとおり、新規獲得にシフトしていくこともあり、マーケティング費およびシステム関連費の増加を見込んでいる状態になっています。

業績見通しの前提 (タレントパレット事業)

「タレントパレット」の計画を詳しくご説明します。売上高は42.5パーセント、営業利益については32パーセントの成長を目指していきます。売上高と営業利益の伸び方の差は、先ほど説明したマーケティングの費用の積み増しによるものとなります。

MRRは42.1パーセント増を見込んでいます。契約社数がかなり増えてきているため、解約率は少し上昇すると想定し、0.68パーセントを見込んでいます。顧客数については、今回幅を持たせて記載しています。

期末の9月くらいにかなり受注が多かったため、上振れる可能性もあり970という社数も目標として記載しています。規模の大きな会社を中心にこれからも広げていきますが、1,000名未満の会社に対しても裾野を広げていこうと考えています。それがうまくいくと、970社と、1,000社に近いところまでいけるのではないかと思いますが、950社くらいでも、この売上は達成できると考えています。

ARPUは少し規模の裾野を広げるということで、5.6パーセント増を見込んでいます。

中期成長イメージ

最後に中期成長イメージについてです。前回の決算発表時にも説明資料に入れましたが、そこを毎回ローリングで変えていこうと思っていますが、2025年9月期には売上131億円を目指しています。その時の営業利益は55億円以上、利益率は40パーセントから50パーセントの間くらいを目指します。

これ自体は今の成長の延長線上でも達成できると考えていますが、新規事業や人事周辺の領域の本格参入などがあれば、スライドの右側の網掛けのピンクの部分のところも上乗せできるのではないかと思いますし、それを実現できるようにがんばりたいと思います。

基本的には「タレントパレット」の成長が前提ですが、「見える化エンジン」と「カスタマーリングス」についても10パーセント程度の成長を計画しています。

質疑応答:高付加価値のサービスについて

質問者1:質問は3つです。1つ目は、高収益の秘訣ということで、付加価値の高いサービスを提供しているということですが、それについてもう少しご解説をお願いします。分析精度の高さのために価格競争に巻き込まれないからなのか、それともサービスを導入すると新しいオプションのようなものが開発され、どんどんサービスの幅が広がっていくということなのでしょうか? 利益率が30パーセントを超える高収益の秘訣を教えてください。

三室:高収益の秘訣についてご説明します。弊社は16期になりますが、最初の10年間はIPOを考えていませんでした。その中で、利益をしっかり出す組織作りとビジネスモデルを追求してきました。

もう1つは、先ほどご説明したSaaSの基盤があり、これがかなり確立できているため、新しい「タレントパレット」でもすぐに利益が出て、全体的な利益を押し上げているのだと思います。

また、付加価値が高いということは、付加価値の高いものを高速に作れるということでもあります。つまり、時間があれば他社も真似できますが、そのスピード感でついてくるというのはなかなか大変だと思います。そこに差が生じてきていると思います。

効率化や業務効率を図って何人削減できるかということよりも、顧客の意思決定の精度を上げることで、経営に対して非常に価値があるということが、比較的高い価格設定でも受け入れられる理由ではないかと思います。

質疑応答:人材確保について

質問者1: 2つ目は、今後業績を拡大していくにあたり、コンサルティングを増強していくということですが、前にコンサルタントは全従業員の中で73名くらいということをおっしゃっていました。

そもそも73名程度で1,400社くらいをカバーするということは、業界の中で生産性が高いと言えるのでしょうか? 今後コンサルタントを増やしていくにあたり、人材の確保をどのように行っていくのかについて、もう少しご解説をお願いいたします。

三室:当社のコンサルティングチームは2つに分かれています。日々の活用を支援するサポート部隊と、科学的人事といったコンセプトを進め機能ニーズを引き出すためのコンサルティングの2チームです。稼働社数に対し、増やしていかなければならないというのは、どちらかというと前者のサポートを行う部隊です。この部分に関しては、採用はそこまで難しくない状態です。

この人数で、なぜ対応できているのかということについてですが、もともと弊社には、FAQのQ&Aの仕組みを構築する「アルファスコープ」や、Web問い合わせへの対応、またチャットの仕組みなどの自社サービスがあり、当初からかなり効率のよいサポート体制がありました。それが生産性の高さと関係しているのではないかと思います。

質疑応答:投資の効果について

質問者1:2022年9月期は今回アクセルを踏むということで、マーケティング費用や実質投資をされます。例えば、5億円を投入したらどれくらいのお客さまが増えるのか、また、どれくらいの売上増加が期待できるのかについて教えてください。今回、かなりの費用を投下されるということなので、どのようなことをされ、結果としてどのような効果が期待できるのかについて、ご解説をお願いします。

三室:「タレントパレット」でご説明すると、(資料45ページ:タレントパレットのターゲット市場 参照)基本的には100名を超える会社はターゲットになると思います。それぞれ中小・中堅(100から1,000 名)、中堅・大企業(1,000名以上)、大手企業(3,000名以上)という3つのセグメントに分けており、「タレントパレット」の得意なところは上の2つになっています。

分析機能に差別化が図れていること、また、意思決定を支援する経営層が見るダッシュボードの作り方のようなところにノウハウがあり、展開してきました。しかし実際は、「タレントパレット」の契約の中で1,000名以上の会社は4割程度であり、残りの6割は100名から1,000名の会社です。

営業戦略としては、上の規模の会社を中心に展開してきましたが、「タレントパレット」が進化し、中小・中堅のところもいろいろな人事にまつわる機能がワンストップで使えるようになっています。そこをしっかり訴求していけば、より裾野を広げ、導入社数を増やせるのではないかと感じています。

さらに、小規模な会社でも、評価や人材データベースから、採用、スキル・研修といった活用の幅を広げる事例もあり、アップセルできている会社もかなり多くなっています。このため中小・中堅のところは、これまで以上にマーケティングのコストをかけていきたいと思っています。したがって、このようなところへの知名度の向上を目指し、マーケティングコストをかけていきます。投資の効果としては、ここの部分の社数が増えてくると考えています。

質疑応答:ターゲット顧客について

質問者2:1点目は、「タレントパレット」におけるターゲット顧客についての確認です。もともと大企業や大手企業のお客さまの場合、導入時はお客さまのニーズに沿って、御社がカスタマイズされると思います。現状、大企業からのニーズの拡大に対し、御社のリソースで対応できているのか、あるいは対応できるのかということについて確認させてください。

そのようなニーズが発生する大企業ではなく、むしろ小さな規模のお客さまを拡大したほうが、御社のリソースに対して効率的ではないかと思います。そのようなご判断がこれまであったのかどうかも含め、確認させてください。

三室:確かに大企業はいろいろな活用目的があり足りない機能があります。しかし、基本的にはカスタマイズというかたちではなく、標準機能のバージョンアップにそのテーマを載せるかたちで対応しています。

したがって、同じような活用を目的とする会社が新たに出てきたとしても、すでに機能があるという状態が多くなってきています。引き合いに対し、リソースが比例して必要になるというよりは、だんだんと機能ができあがり、以前であれば標準機能として搭載しなければいけなかったものが、最近はすでにできているというわけです。その意味では、しっかり対応できていると思います。

規模の小さな会社に裾野を広げることについてですが、規模の小さな企業の導入の目的の多くは、評価、人材のデータベースを作りたいというところからスタートします。しかし、実際にやりたいことは大企業と共通していることが多々あるため、そこで作られた機能は規模が小さな会社でもそのまま使っていただけます。新しく何かをするというよりは、今の機能で裾野を広げていくことが差別化になると考えており、そこに注力していこうと思っています。

質疑応答:「タレントパレット」導入について

質問者2:2点目です。「タレントパレット」のお客さまは、これまで似たようなサービスを使っていたものの、それを置き換えようというニーズが多いのか、それともまったく何もないところから新規で導入するというニーズが多いのか、その傾向や比率に足元で変化はありますか? また、今期以降のターゲットとするお客さまについてですが、他社からの置き換えを意識されることが増えてきたのか、また実際にそうしたニーズが出てきているかについて確認させていただけますでしょうか?

三室:9割以上はシステムのない状態からの新規での導入です。それについては過去からも大きな変化はなく、今も同じような状況だと考えています。

置き換えのケースは、他社のタレントマネジメントシステムを使っていたものの、より分析的なことを求めたり、より広く深く使っていく上で、リプレイスして「タレントパレット」を選んだりされるケースはあると思います。ただ、新規で導入されるところが圧倒的に多いとは思います。

質疑応答:今後の展開とスケジュール感について

質問者2:3つ目の質問です。「タレントパレット」の人事周辺分野の展開をはじめ、またM&Aなどを含め、今後さまざまなプロダクト展開が視野に入っていると思います。例えば、今期は1年に1分野もしくは2分野といった開発リソースとの兼ね合いで、これくらいのペースで展開していきたいという予定がありましたら、そのスケジュール感を教えてください。

三室:どちらかと言うと、それぞれのテーマを同時並行で進めている状況です。段階的にご説明しますと、採用管理のオプション、研修管理のオプション、健康管理のオプションができ上がり、それを単体でも他社のツールに勝てるようなものを作り込むというのが第一段階です。その中で更に採用の深いところ、例えば求職者のデータベースにある程度密に連携できるアライアンスやM&Aというのはその次の段階と考えています。

ただし、現在はいろいろ調査し、話を聞き、どのような連携ができるのかについて、それぞれ検討している状態ではあります。オプションの強化に関して言うと、今期中にはそれぞれできあがるとは思いますが、その先のアライアンスについては、実現できるのは恐らく来期以降だと思います。今期中に準備をし、いろいろ想定はしていますが、連携くらいはもちろん可能だと思います。M&Aなどの深いところについては、来期以降になるかと思います。

質疑応答:解約率について

質問者2:解約率について、プロダクト別にかなり差が広がっているイメージがあります。お客さまのLTVを見ると、「タレントパレット」と他の商材ではLTVの規模が違ってくることが起きていますし、今後起きて行くのかなという気がします。この前提でいくと、御社のリソースを「タレントパレット」に集中すべきと考えます。マーケティングは取っ替え引っ替えというお客さまが多いですが、人事関係のものは定着します。商材の性質の違いはあると思いますが、経営判断として、LTVの格差を踏まえてのリソース配分について、どのようなお考えでしょうか?

三室:確かに事業ごとにそれぞれ分かれていますが、一体化している部分もあり、例えば技術的なところでは「見える化エンジン」「カスタマーリングス」で作った見える化の技術や大量データを扱うハンドリングの技術は、そのまま「タレントパレット」に搭載されています。今でも「カスタマーリングス」で作った機能や「見える化エンジン」で作った機能を「タレントパレット」で使ったり、その逆のケースもあります。社内の雰囲気としては、「これをやめてこれをやろう」とはなっていません。

確かに「タレントパレット」を立ち上げてからは、ある程度「見える化エンジン」「カスタマーリングス」の中のリソースを「タレントパレット」に移すことも行ってきましたが、その範囲にとどめて進めるほうが一体となってそれぞれ進化しますし、こうしたシナジー効果が生まれるやり方のほうが、全体として会社が成長できるのではないかと思います。さらに、「タレントパレット」の次を作る上でも、このような会社の文化が必要であり、重要だと思っていますので、これについてはこの考え方で進めていくつもりです。

あとは、「見える化エンジン」も「カスタマーリングス」も新型コロナウイルスの影響を受けていますが、ポテンシャルは非常に高いため、まだまだ成長の余地はあると思っています。

質疑応答:「見える化エンジン」と「カスタマーリングス」の現状と今後の成長について

質問者3:まさに先ほどのお答えとつながりますが、「見える化エンジン」と「カスタマーリングス」の伸びが緩やかになってきています。先ほど「ポテンシャルは高い」「コロナ禍の後はまだ伸びる余地がある」とおっしゃっていましたが、伸びが弱いそもそもの理由は、マーケットとして顧客に大体行き渡ったのか、それとも、まだ行き渡らず何かの理由で止まっているのでしょうか? サービスの陳腐化というと失礼かもしれませんが、今後ポテンシャルを考える時に、このあたりについて現状はどう見ていらっしゃるかを教えてください。

三室:「見える化エンジン」と「カスタマーリングス」では、それぞれ事情が違うところがありますので別々にご説明しますと、まず「見える化エンジン」は、前期の成長率は1.6パーセントでしたが、今回は2.9パーセントと、3パーセント程度の成長に戻っています。

「見える化エンジン」は新型コロナウイルスの影響を一番受けやすく、レジャーやホテル、エアラインなど、大きなお客さまのところでダメージがあり、多少のコスト削減もありました。それがなくなった時点で、成長率は戻っていくだろうと考えています。

また、過去に「Twitter」が流行り始めた際に「見える化エンジン」の導入が非常に進み、今は音声認識のデータを活用するところがあります。データソースが分析する対象となる、新しいデータがあらわれるとまた伸びる世界のため、それにうまくキャッチアップできるように進めることで、10パーセントを超える成長に戻せると思っています。

「HR業界は非常に競合が多い」といわれますが、私からはマーケティングのほうがよほどひしめいているようにみえます。「カスタマーリングス」はプレイヤーが多く、今は競合との差別化が弱まっていると思います。

それに対して、それぞれのどこに問題があるのかはわかってきています。もともとECの市場自体は15パーセント増くらいで伸びているため、例えば、多機能なゆえに複雑にみえるインターフェースを改善していくなどにより対策していけば、成長の余力として市場成長くらいまで引き上げられるのではないかと思っています。

質疑応答:競合企業に対する「タレントパレット」の優位性について

司会者:続いて、QA欄でいただいたご質問です。「タレントパレット事業について、競合の『カオナビ』や『HRBrain』『SmartHR』などに対する『タレントパレット』の優位性を教えてください」とのことです。

三室:「タレントパレット」は、今おっしゃられたような企業さまと、もともと作りのコンセプトが違います。他のツールは評価を電子化する、人事の人材データベースで検索しやすくするところからスタートしているものが多いかと思います。例えば、時系列でデータを蓄積すること前提に構築するというような、ちょっとした部分の作りが異なることで、機能の進化のスピードが変わってきます。

また、コンサルティング部隊の存在もあります。大規模の会社さまに導入が進み、そこでの機能強化により、さらに中堅企業のほうが利用し、メリットをあげられるといった部分で差別化ができているかと思います。

顧客基盤の意味では、確かに非常に多くの顧客を持たれている企業は、脅威ではあります。ただ、やはりタレントマネジメントという活用の目的から、まだまだ差は開いているのではないかと思います。

質疑応答:今期の「タレントパレット」の前提について

質問者4:今期の「タレントパレット」の前提についておうかがいします。解約率と顧客獲得の純増数について、まず解約率が0.68パーセントと、かなり上がるよう前提を組んでいると思うのですが、ここの背景が単にコンサバといったお話なのか、上がる要因が何かあるのかを確認させてください。

純増数についても、終わった期は270社純増しており、今期はマーケティングなどを進めて顧客層拡大の施策も打っていくとのことですので、もう少し純増数が上がってもよいのかと思っています。この2点について確認させていただけますか?

三室:解約率については、弊社が長年SaaSビジネスに取り組んでいる中において、稼働社数の母数が増えると解約する社数がある程度増えることが経験的にわかっています。導入してまだ1年、2年という会社さまが多い中、だんだんと期間が経った時に、その会社での優先順位が下がったり、コストの見直しがされることは普通にあります。

そこを考えますと、母数が増えれば解約率が少し上がるのではないかという計画を立てています。何か特別な事情があったわけではないため、前回のように1.1パーセントとお伝えしていたものが0.38パーセントになる場合もあることはあると思います。それに向けてサポート、コンサルティングの体制を強化していきたいと思っています。

顧客数に関しては確かになかなか難しかったのですが、9月くらいに導入がかなり進んだこともあり、結果として700社になっています。計画では足元の増加やマーケティング施策も多少考えていますが、一応前期純増分と同じかそれを超えるようなところで考えています。解約数も多少あるため、このくらいとみています。

「マーケティング費用を中堅以下の認知度向上等にかけていく」というところは、実はそれほど見込んでいません。本当に効果が出るかどうかわからないという意味では、保守的に、それが上手くいかなかった時でもこれくらい、というイメージで計画しています。

質疑応答:今期のコストと採用計画の前提について

質問者4:今期のコストの前提ですが、「マーケティングコストとシステム関連コストも増加しますよ」とコメントが書いてあると思います。これはどのようなイメージなのでしょうか? また、可能でしたら採用計画についても前提を教えていただけますか?

三室:システム関連費は「見える化エンジン」「カスタマーリングス」の話になるため、その部分は利益横ばいの理由になっていますが全体的にそこまでかかるわけではありません。大きく増やしていこうと考えているのはマーケティング費と人材です。

人に関していいますと、四半期ごとの人数なのですが、結果は思ったほど増えていないことがみえています。おそらく、前々期から前期の終わりあたりで20名くらいだったと思いますが、今期の1年後には40名から50名くらいの増加を目指して採用活動を進めようと考えています。そのほとんどはタレントパレット事業になるかと思います。

質疑応答:「タレントパレット」のARPU向上要因となる費用の高い機能やサービスについて

司会者:「『タレントパレット』のARPU向上の要因として、効果が高いのはどのような機能やサービスになるのでしょうか?」という質問です。

三室:ARPU向上の半分は規模の大きな会社さまで単価の高いお客さまの導入が増えてきているためであり、残りの半分がアップセルになっています。アップセルは、それぞれ3万円や5万円くらいのオプションの追加によるものになっており、一番多いのはセキュリティ関連やデータ連携のオプションです。使い続ける中で「自動的な連携のほうがいい」ということで、後からアップセルされるものがあります。

また、深く使う時にプラスしてお金がかかるよう設計されているため、採用管理や研修管理といったところも増えています。社員が増えることでのベースの利用料が上がるというのも要因の一つです。

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