しかし、この1年で状況は一変。公的なものから民間のものまでオンライン学習の活用法やコンテンツの充実が進んでいます。また、ICT教育の整備には文部科学省をはじめ、教育分野での5G活用を掲げている総務省も関わるなど、国も本腰を入れて取り組み始めたと言えるでしょう。

学習の双方向性を高めていけるか

コロナ禍を発端に日本のオンライン学習が進展したわけですが、青少年教育振興会の調査結果からは課題も見えてきます。

オンライン学習経験のある高校生に対する設問で、「わからないことがあったら、オンライン上の先生やメンバーなどに質問する」への回答では、日本の高校生は「全くない」が61.3%。米国31.4%、韓国15.3%、中国6.0%と比べると、日本の高校生が受け身であることを如実に示されています。

また、「わからないことがあったら、周りの友達に聞いてみる」に関しても「全くない」が24.0%。中国4.6%、米国4.1%、韓国3.2%と比べてかなり多くなっているなど、日本では周りに頼らず(頼れず)自分で解決しようする高校生の割合が高いことが見て取れます。

コロナ禍でオンライン学習が定着してきた今こそ、学んでいる側から発言しやすくなるような取り組みはもちろんのこと、分からないことを1人で抱え込まず先生や周囲の助けも借りて解消することの大切さを伝えていくことも必要といえるでしょう。

参考資料

中山 まち子