日本のICT教育はまだ黎明期
突然の臨時休校で学校も保護者も子どもたちも大いに困惑したことは記憶に新しいですが、コロナ禍によって学校教育の現場が混乱したのは日本だけではありません。
「2020年春時点でのオンライン学習の経験の差」という点で見れば、オンライン授業に即応できた国と、日本のように思うように進められなかった国に分かれてしまったのは無理もないことだったのでしょう。
では、なぜオンライン学習の経験値が低かったのでしょうか。
「オンライン学習をした経験がない」と答えた高校生にオンライン学習をしない理由をたずねたところ、特徴的だったのは、「親(保護者)が反対する」(2.7%)、「先生が反対する」(0.6%)という項目が、他の3カ国と比べて低いことです。
捉え方によっては「オンライン学習に対する偏見や悪い印象を持っている大人は多くない」とも考えられます。コロナ禍以前からICT教育に関する期待はあったのかもしれません。
一方、オンライン学習を経験したことのない日本の高校生があげた理由のうち最も多く、かつ4か国でも最多だったのが「どんなサービスがあるか分からない」(35.7%)でした。ちなみに、アメリカは30.0%、中国29.3%、韓国17.9%となっています。
オンライン学習に対する認知度を振り返ってみても、コロナ禍以前はメディアで大々的に取り上げられることも少なく、自分から調べない限りそうした情報は身の回りにありませんでした。