厚生年金はいくら受け取れるか

厚生年金は、会社員や公務員の人が加入対象となっています。現在、厚生年金保険料は月々の給料に対して定率18.3%です(令和3年度)。そのため、人によって払う保険料額は異なります。

ただ、国民年金と違い、事業主(勤務先)が保険料の半額を負担してくれている(労使折半)ので、実際の納付額は給与明細などに記載されている保険料の倍額となります。

「受け取れる厚生年金額」は、働いていたときの給料と加入期間によって決まります。女性の場合、出産や育児のブランクなどもあるため、男女で差が開くかどうか、統計を基に見ていきたいと思います。

国民年金同様、筆者が各金額帯の全体に占める割合を求めました。(※小数点第2位四捨五入)

厚生年金保険(第1号)【男子】年金月額階級別受給権者数:1066万6981人

  • ~5万円未満: 1.4%(15万977人)
  • 5~10万円未満:9.2%(97万6724人)
  • 10~15万円未満:24.5%(261万3866人)
  • 15~20万円未満:41.0%(436万9884人)
  • 20~25万円未満:21.1%(224万9128人)
  • 25~30万円未満:2.7%(28万8776人)
  • 30万円以上:0.17%(1万7626人)

平均年金月額:16万4770円

厚生年金保険(第1号)【女子】年金月額階級別受給権者数:(531万9978人)

  • ~5万円未満:5.9%(31万5100人)
  • 5~10万円未満:44.0%(234万1321人)
  • 10~15万円未満:41.0%(218万2510人)
  • 15~20万円未満:7.8%(41万2963人)
  • 20~25万円未満:1.2%(6万3539人)
  • 25~30万円未満:0.1%(4166人)
  • 30万円以上:0.01%(379人)

平均年金月額:10万3159円

金額別帯で見たボリュームゾーンは男子が15~20万円未満、女子が5~10万円未満と大きく異なり、平均年金月額も約6万円近く差が開いています。

やはり、ライフイベントによる影響を受けやすい女性の場合、厚生年金に入っていても男性よりもらえる金額は少ないことがわかります。

出産や休職など、男女ともに予想できないライフイベントも考えられますので、厚生年金の加入状況が老後生活を大きく左右するケースも。「公的年金」以外に活用できる制度についても検討されるとよいでしょう。