2021年10月29日に行われた、株式会社アートネイチャー2022年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社アートネイチャー 常務取締役 内藤功 氏
株式会社アートネイチャー 上席執行役員 経営企画部長 本多敏男 氏
2022年3月期 上期 連結決算ポイント
内藤功氏(以下、内藤):アートネイチャーの内藤でございます。本日は、私どものウェブ決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。それでは早速、説明に移らせていただきます。
まず、私から上期決算の概況と、下期計画の概要についてご説明します。上期決算の概況に関してですが、上期はスライド上段の表にあるとおり、前年同期比で増収増益となり、営業利益は黒字に転換しました。営業利益については、通期計画に対して高い進捗率で推移しています。
下段の表は、部門別売上高の実績を示したものです。メンズ、レディースともに、コロナ禍前の水準に近づけることができました。
2022年3月期 上期 連結決算ポイント
四半期ごとの状況についてご説明します。スライド上段のグラフは、売上高と営業利益率の四半期推移を示したものになります。
今年度の第1四半期においては、前年度の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う売上高減少が解消したことに加え、前年度の受注分の納品が進んだ結果、売上高は前年同期比で大幅に増加しました。営業利益は売上高の増加を主因とし、黒字を計上することができました。
第2四半期に関しては、売上高は前年同期とほぼ同水準となりましたが、利益率は若干低下しています。その理由として、前年度は費用を抑制的に運用しましたが、今年度は広告費を中心に、前年度を上回る水準で使用したためです。
上期を総括すると、ほぼ全期間が緊急事態宣言下であったにもかかわらず、売上、営業利益率ともに堅調に推移したと言えると思います。
2022年3月期 「Challenge 2021」主要施策
2022年3月期の主要施策についてご説明します。中期経営計画「アートネイチャーChallengeプラン」の2年目である今期、「Challenge 2021」では既存事業の再拡大に挑むとともに、さらなる新領域の事業拡充に向けた体制を整えることが目標です。今年度の主要施策についてはスライド右側に記載してますが、これらを着実に実践していきます。
ARTNATURE Challenge プラン 主要部門進捗①
メンズ部門の上期について振り返ります。総括としては、受注や売上高はおおむね計画どおりの着地となりました。新規のお客さまの反響獲得には苦戦を強いられましたが、リピートのお客さまは当社の製品を日々お使いいただいている方々ですので、コロナ禍においても堅調に業績を上げることができました。
また、9月に発売した増毛商品「マープワンダー」についてですが、新たに開発した結び目により、お客さまへの提供時間を劇的に改善させることができました。これにより、施術に関わるお客さまのご負担が軽減されるだけでなく、従業員の業務効率化にもつながっています。
ARTNATURE Challenge プラン 主要部門進捗②
レディース部門についてです。コロナ禍による外出自粛やイベントの中止などにより、当社製品の使用機会が減少するという影響が出ました。一方、新規のお客さまからの反響は非常に好調だったため、計画を上回る受注につながりました。
特に9月に発売したオーダーメードウィッグ「フィーリン」は、アートネイチャー史上初の「ピンでとめないウィッグ」だったため、大きな反響がありました。9月は過去最高の月間反響数を獲得し、受注の拡大にも大きく貢献してくれています。
また今年度から、お客さまからのお問い合わせを受け付けるコンタクトセンターに、AI自動応答システムを試行的に導入しました。これにより、着信数の瞬間的な増大や、オペレーターの不在時間帯における問い合わせをカバーすることができるようになり、反響獲得の一助となっています。
10月からこのシステムを本格稼働させ、24時間受付体制にすることで、受注がさらに拡大していくことを期待しています。
2022年3月期 通期計画について
下期の取り組みについてご説明します。スライド上段のグラフは、売上高と営業利益を表しています。今年度の上期は実績値で、赤枠で囲ってある下期は、通期の計画と上期実績との差分を示しています。
営業利益に関しては、通期計画に対する上期の進捗が大きかったため、下期が非常に小さく、また少なくなっています。これは緊急事態宣言明けの消費者の動向が不透明なため、保守的ではありますが通期の業績予想を据え置いているためです。
スライドの左下には下期計画の前提条件、右下には下期の取り組みを記載しています。下期は、9月発売の新商品に引き続き注力するとともに、事業拡大に向けた諸施策を着実に実行していくことで、通期業績をコロナ禍前の水準に戻すことを目標としています。
中期経営計画 経営指標および配当方針
中期経営計画における主な経営指標と配当方針についてご説明します。中期経営計画最終年度である2023年3月期の売上高、経常利益率、ROEの目標は上段のグラフ右端のとおりです。
配当に関しては従来同様、安定配当の維持に努める基本的な考え方に基づき、今期も中間配当14円、期末配当14円、通期で28円の配当を維持したいと考えています。1日も早く、利益率やROEを2桁に乗せるべく、全社一丸となって目標達成に向け引き続き邁進していきます。
当社は、本年7月に新市場区分におけるプライム市場に適合しているとの一次判定結果を受領しています。今後は東京証券取引所の定めるスケジュールに従い、新市場区分選択の社内決議等を順次進めていきます。
私のご説明は以上です。ここからは本多より決算についての詳細をお伝えします。
2022年3月期 第2四半期 連結損益計算書の概要
本多敏男氏(以下、本多):アートネイチャーの本多でございます。まず、2022年度3月期上期の連結損益計算書の概要についてです。売上高は前年同期比30.7パーセント増の193億円、営業利益は前年同期の赤字から黒字に転換して15億円となり、ほぼ計画どおりにコロナ禍前の水準まで戻すことができました。
営業利益については年間計画比で大きく進捗していますが、一部の費用は下期に持ち越しています。また、売上原価に関しては、売上拡大に伴って原価率が下がり63億円となっています。
設備投資は前期比で2億円増の6億円です。また、2020年3月期の第2四半期の数字は、消費税増税前の駆け込み需要により、売上や利益などは例年の水準よりも高くなっていますので、比較の際にはご留意ください。
上期・通期業績推移(連結)
連結の上期・通期の業績推移です。売上高は例年に比べて高い水準で、営業利益は前期の赤字から黒字に転換しています。
2022年3月期 第2四半期 連結経常利益の増減要因
第2四半期連結経常利益の前年同期比の増減要因についてです。左側のオレンジ色の部分が利益のプラス要因です。売上高の増加を主因とし、売上総利益が前年同期比39億円増となっています。
紫色の部分が利益のマイナス要因で、広告費を中心として費用項目全体で前年同期比20億円増です。結果として、経常利益は前年同期比19億円増の14億円となりました。
主要商品の月次売上推移(前年同月比)
主要商品の月次売上の推移を表しています。このグラフは、毎月開示している月次売上状況から、直近3年間の主要商品売上高の前年同期比をピックアップしてまとめたものです。赤の線が今期、青の線が前期、緑の線が前々期を示していますので、おおよそのトレンドはこちらでご確認ください。
今期の4月、5月は昨年度の落ち込みの反動に加え、前期受注分の納品が進捗したため大幅に上昇しています。しかしご覧のとおり、6月以降は新型コロナウイルス感染拡大も相まって、前年同月比はほぼ100パーセント水準で推移しています。
月次延べ来店顧客数(前年同月比)
月次延べ来店顧客数の推移についてです。このグラフも、毎月開示している延べ来店顧客数からピックアップしてまとめたものです。今期は、ほぼ全期間が緊急事態宣言下にありましたが、男女ともに前年同月比ではほぼ100パーセントをキープすることができました。
男女別売上動向(連結)
連結の男女別売上動向に関してです。内訳はご覧のとおりです。詳しくは次ページ以降でご説明します。売上に占める男女の構成比は、例年とほぼ変わりなく、男性が約6割、女性が約4割を占めています。
商品・サービス別売上高(単体/男女計)
「単体/男女計」の商品・サービス別売上高です。スライド最下段の「全商品・サービス」で示したとおり、前年同期比では「その他」を除くすべてのセグメントで大幅な増収となりました。
「その他」のセグメントでは、主に通販事業の実績が計上されています。前期は巣ごもり需要を捉え、唯一の増収セグメントとなりました。しかし、今期はテレビ通販の放映回数の減少などが響き、唯一の減収セグメントとなりました。
また、スライド上段の商品・サービス別のセグメントでは、「増毛商品」の新規が前年同期比20パーセントを超える減少率となっています。これは、新型コロナウイルス感染拡大が大きく影響したためと考えています。なお、売上高全体としてはおおむね計画どおりとなっています。
商品・サービス別売上高(単体/男性)
「単体/男性」の商品・サービス別売上高です。メンズ事業の前年同期比は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、「増毛商品」の新規が苦戦しました。しかし、主力の「オーダーメードかつら」を中心に大幅な増収となりました。
なお、商品・サービスごとに若干凹凸はありますが、メンズ事業全体の売上高としてはおおむね計画どおりとなっています。
商品・サービス別売上高(単体/女性)
「単体/女性」の商品・サービス別売上高です。レディース事業は、前年同期の落ち込みが大きかったため、「増毛商品」の新規を除き、いずれのセグメントも大幅な増収になりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、いまだにイベントやショッピング、会食など、当社製品の使用機会の減少が続いているため、コロナ禍前の水準には至っていません。
特に「増毛商品」の新規は影響が色濃く出ており、前年同期比50パーセントを超えるマイナスになるなど、メンズ事業以上に進捗が悪くなっています。なお、メンズ事業同様に、商品・サービスごとに若干凹凸はありますが、レディース事業全体の売上高はおおむね計画どおりとなっています。
商品・サービス別売上高(単体/収益認識による影響)
単体の商品・サービス別売上高における収益認識による影響です。今期より収益認識に関する会計基準を適用していますが、上期の影響額は約0.7億円の減少となっています。スライドで示したとおり、「オーダーメードかつら」の項目から、サービスやポイント引当などに該当する売上高が減少し、その分が「理・美容サービス」の売上高に加算されるかたちとなっています。
2022年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/男女計)
通期計画をご説明します。最初は、「単体/男女計」の商品・サービス別売上計画です。主力の「オーダーメードかつら」はまずまずの進捗です。そのほかの項目では「理・美容サービス」が収益認識に関する会計基準の影響もあり、かなり進捗しています。
緊急事態宣言明けの年末年始や期末期初の動向は、いまだ不透明ですが、弊社は例年下期の売上高のほうが大きいため、今後の施策を踏まえれば十分達成可能な計画と考えています。
2022年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/男性)
「単体/男性」の商品・サービス別売上計画です。主力の「オーダーメードかつら」は、まずまずの進捗です。「増毛商品」は45パーセント台と進捗が鈍いのですが、9月発売開始の「マープワンダー」で挽回を狙っています。
2022年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/女性)
「単体/女性」の商品・サービス別売上計画です。主力の「オーダーメードかつら」は、メンズ事業同様まずまずの進捗です。9月発売の「フィーリン」でさらなる進捗を狙っています。
「増毛商品」は、メンズ事業同様に40パーセント弱と進捗が鈍いのですが、新規のお客さまが「オーダーメードかつら」を選ばれる傾向が強いことが要因の1つになっています。弊社としては、これはよい傾向だと考えており、業績の進捗については「オーダーメードかつら」と「増毛商品」の合算で見ていただきたいと考えています。
「ジュリア・オージェ」については、上期は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、商業施設の集客が弱く、大変苦戦を強いられました。しかし、ワクチン接種が進み、感染拡大も抑えられ、緊急事態宣言もようやく明けたため、商業施設への客足さえ戻れば挽回可能な計画だと考えています。
2022年3月期 通期連結業績計画
通期連結業績計画です。通期計画は、常務取締役の内藤がご説明したとおり、緊急事態宣言明けの消費者動向が不透明のため、保守的ではありますが期初計画は変更していません。したがって、通期の売上高は前期比12.5パーセント増の約403億円、営業利益は前期比4.7パーセント増の約20億円を目指しています。
なお、販管費の伸びが大きくなっていますが、これは新規顧客の獲得や理・美容師の拡充のほか、「重点challenge施策」を中心とした戦略分野に使用する予定となっているためです。
以上で私からのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:業績予想を修正しない理由について
司会者:「業績予想を修正しない理由について、もう少し詳しく説明してください」というご質問です。
内藤:売上高については、上期はほぼ計画どおりの着地でした。また下期については、足元では女性向けの「フィーリン」が好調で、大変よいスタートを切った状況です。しかし、緊急事態宣言明けの客足の戻り方が不透明なことを踏まえ、売上高の通期計画を据え置きました。
利益面では、下期は「重点challenge施策」でさまざまな施策を準備しています。また、上期に利益が少し積み上がった要因は下期に一部繰り延べたためだとご説明しましたが、そのような繰り延べ分がまた下期に出てきます。これらのことを考えると、経費については相応の支出があると考えています。
そのため、売上高を据え置いたのと同じく、営業利益に関しても据え置こうと考えています。
質疑応答:今後の市場環境について
司会者:「今後、3年から5年の市場環境、かつら市場をどう捉えているか教えてください」というご質問です。
内藤:3年から5年の市場環境について、かつら市場は、まず男性に関してはほぼ横ばいの動向だと考えています。特段、需要について心配していませんが、逆に爆発的に市場が拡大することもないと考えており、ほぼ横ばいを見込んでいます。
一方、女性に関しては、少しずつウィッグの裾野が広がってきている感触を持っています。そのような意味で、緩やかな上昇カーブを描いていくと考えています。
質疑応答:AI自動応答システムについて
司会者:「『AI自動応答システム』とは、どのようなものか説明してください」というご質問です。
内藤:私どもは、お客さまからの電話やメールなどのお問い合わせについては、コンタクトセンターで受付しています。ここは、夜間早朝の時間帯は不在にしています。また、特に日中の時間帯でテレビCMが流れた直後は、電話が殺到することがあります。そのため、一度にお電話いただく回数がオペレーターの人数よりも多いと、電話の取りこぼしが起こりうることが実情としてありました。
今回導入した「AI自動応答システム」は、お客さまの声を認識し、名前や住所、希望されていることに応答、誘導し、お客さまからご回答いただくシステムです。
従来の「テレフォン◯◯」といったシステムでは、「◯◯の場合は1番を、◯◯の場合は3番を」など、お客さまに電話のボタンを押す操作をしていただくものが多いです。
しかし当社の「AI自動応答システム」は、昨今の技術の進化により、お客さまの声から自動的にフローチャートが流れ、必要であれば私どもから折り返しの電話を差し上げ、資料の請求やカウンセラーのアポイントなどにつなげるというものです。
「AI自動応答システム」は10月から本格稼働になります。直近でプレスリリースを出していますので、ご確認ください。
質疑応答:育毛分野の展開について
司会者:「ファーマフーズの『ニューモ』のような育毛や育毛剤のところを伸ばす考えはないのですか?」というご質問です。
内藤:ファーマフーズの「ニューモ」という商品が好調だとは聞いていますが、他社のことのため詳しいことを話す立場にはありません。
私どもは「総合毛髪企業」を標榜しており、髪の悩みに関してあらゆることにお応えしようと考えています。当然、育毛に関してもニーズの1つと捉えてはいますが、ファーマフーズのように育毛の部分に特化し、そこに経営資源を大幅に投下して伸ばしていくことは考えていません。当社はあくまでも総合毛髪企業の一つとして育毛を展開しており、2年前から発毛の事業にも挑戦しています。
さらに増毛もウィッグも展開し、お客さまのあらゆるニーズにワンストップで応えていく構えです。1分野だけに経営資源を投下することは今のところは考えていません。
質疑応答:サステナビリティへの取り組みについて
司会者:「サステナビリティへの取り組みについて説明してください」というご質問です。
内藤:昨今、サステナビリティを巡る問題は日々新聞にも出ている状況で、大変関心が高い課題だと考えています。当然、私どもとしても、サステナビリティを巡る課題は重要な経営課題の1つであると認識しており、中長期的に企業価値を高めるという観点で、積極的に取り組んでいかなければならないと考えています。
しかし、非常に多岐にわたる課題ですので、どのような体制で取り組んでいくのかについて、まさに検討を開始しているところです。なお、私どものサステナビリティの取り組みについては、今年からホームページ上でSDGsに関するページを設けて開示しています。現在、私どもが取り組んでいるSDGsあるいはサステナビリティの取り組みは、ホームページの中でも示しているため、お時間がある時にご覧いただければと思っています。
また、このサステナビリティの問題に関して、改訂コーポレートガバナンス・コードにおいても、私ども上場企業に対して高い要求がなされています。これについて、私どもは粛々と経営課題として考えていきたいと思っています。
質疑応答:新市場区分の選択について
司会者:「市場選択において、御社はプライム市場を選択するのですか? また、その選択の意義を教えてください」というご質問です。
内藤:まず、当社がプライム市場を選択するのか否かということに関して、機関決定は一切行っていないため、正式な回答はしばらくお待ちいただきたいと思っています。
ただし、先ほどご説明したとおり、一次判定ではプライム市場に合致する結果をいただいたところです。また、私どもが標榜している「総合毛髪企業」の中では唯一の上場企業であるものと認識しています。
プライム市場は国内市場の最上位市場になります。このような市場に上場していることが、お客さまからの信頼感の獲得に非常に意義があると現在も感じており、将来も意義があると考えています。このように、お客さまからの信頼獲得の手段の1つだと考えています。
また、プライム市場では、ガバナンスやサステナビリティの考え方にも高い要求が求められます。これらに真摯に取り組むことで、より健全なかたちで市場価値を高め、お客さまや株主、市場から信頼される企業たり得ることを目指していきたいと考えています。ここに、プライム市場に上場する意義があると考えています。
質疑応答:中期経営計画の進捗と今後の展望について
司会者:「中期経営計画の進捗と今後の展望について説明してください」というご質問です。
内藤:今年度の業績は、先ほどお話ししたとおり、おおむね計画どおり進捗しています。業績面も主要施策も計画どおり、半分折り返したかたちです。
来年度は中期経営計画の最終年度になります。まず売上高は440億円という数字を出しています。この数字については、既存事業と新規事業にわけた時に、コロナ禍などの大きな要因がなければ、既存事業についてはある程度見えている部分もあります。しかし、新規事業に関してはまだ努力する部分があると思っています。
この売上高440億円については、新規事業がどのようなかたちで着地できるかというところで、利益やROEの水準なども定まってくると考えています。したがって、これからの半年間あるいは来年1年間は、新規事業により力を注いでいきたいと考えています。
質疑応答:下期に売上が偏重する理由について
司会者:「例年、下期に売上が偏重する傾向がありますが、どのような理由があるのですか?」というご質問です。
内藤:下期に売上が偏重する理由の1つは、お客さまが新しいウィッグを買いたいと思われる季節が、夏よりも、秋や冬のほうが多い傾向があるからだと思います。
また、私どもはお客さまの需要を喚起する観点で、毎年3月と9月に新商品を発表しています。今年9月に発表した「マープワンダー」「フィーリン」が大変好調だと紹介しましたが、このような9月に発表した新商品が下期の受注と売上を牽引する傾向があることも事実です。
ただし、お客さまが新しいウィッグを買うのは、暑い夏よりは涼しい秋の季節や寒くなる冬の季節のほうがニーズが高いことが大きな要因だと考えています。
質疑応答:新領域の事業について
司会者:「新領域の事業について具体的に教えてください」というご質問です。
本多:新領域の事業については、残念ながら現時点において発表できるものや開示できるものはまだありません。
しかしながら、国内外のM&Aや新規事業の立ち上げにより、新領域の事業分野を現在我々が立ち位置としている「総合毛髪企業」が隣接する業界でなんとか作っていきたいと考えています。今後、どの分野で攻めていくのかを考えているところです。
直近ですが、2021年3月にシンクランド株式会社に資本業務提携というかたちで、一部資本出資した事案があります。ここは、マイクロニードルという大変細い針を作っている会社です。この会社と、今後美容や医療の分野で連携して新しい商材や商品を開発することを考えています。これが直近で進出した分野ですが、それ以外については、今後検討していくかたちになると思います。